無事、白き月に戻れたタクト達。
しばしの休憩の後、白き月の特設超大型会場(もちトランスフォーマー対応)にて、祝勝パーティが開かれるようになった。
司会は多分言うまでも無く……
エクセレン『ハーイ! みんなお待ちかね! これより「黒き月」ぶっ飛ばし大作戦の祝勝パーティが始まるわよ〜!
 司会は、白銀のセクシーダイナマイトバニーこと、エクセレンお姉さんが務めちゃうわよん。みんな、よろしくね〜♪』
歓声が沸き起こる。 ラミア(何だ…デジャヴを感じる……)
ブリット『何か…前にもやったようなそうでないような…』 クスハ『そう? 気のせいだと思うけど…』
レスター『改めて思うが、地球の面子も、エンジェル隊以上に個性的なものがいたな…』
ウォルコット『まあ、いいじゃないですか。それはそれで楽しいですし』
エクセレン『え〜まずは、偉い人のご挨拶から行くわよん。それでは、地球側代表としてテツヤ艦長さんどうぞ〜!』
テツヤ『ウホンッ! …地球側代表の、テツヤ・オノデラだ。みんな、今回の作戦では、よく頑張ってくれた。
    我ら第2救援部隊は、ローム星防衛戦からの参戦だったが…』
マサキ『艦長さんよぉ、堅苦しい挨拶は抜きにしようぜ』
シロ『そうそう! ニャ〜ンか面白いこと言ってほしいニャ!』 テツヤ『なっ、なに!?』
エクセレン『んじゃま〜ここはシロちゃんのリクエストに応えるってことで』
テツヤ(むう……士官学校ではジョークの言い方なんて習わなかったぞ。どうする? どうするテツヤ・オノデラ…!)
エクセレン『もしもしぃ、艦長さぁ〜ん?』
テツヤ『ハッ、アア…ゴホン! ア〜ではぁ行くぞ。え〜、ハガネと掛けてぇ…入れ歯を落とした老人と解く!』
エクセレン『その心は!』 テツヤ『歯がねー』
…………言うまでも無く会場には一陣の風がふいたトカふかなかったトカ…。
フォルテ『な、なんつーベッタベタな…』 ノーマッド『ここまで行くと最早神業ですね』
マサキ『まっ、予想通りの結果だな』 ヴィレッタ『プッ、ウフフフフ…』
マイ『あっ、あの、隊長?』 ヴィレッタ『アハハハッ、艦長もなかなか面白いこと言うわね』
ランファ『ま、マジで言ってんの…?』 ミント『ひょっとして、ヴィレッタ大尉って…』
ヴァニラ『意外に天然なんでしょうか…?』
エクセレン『え〜次はトランスバール側の代表として、シヴァ・トランスバール皇子からのご挨拶よ!』
シヴァ『え、私もなのか?』
エクセレン『シヴァ皇子、何か一言お願いします!』
シヴァ『わかった……マイヤーズ、エンジェル隊の皆、そして地球から来た人たち…
 そなたらのおかげで私は無事にここに戻り、トランスバールを救われた。
 さささやかながらも、ここで礼を述べさせてもらいたい。本当に…ありがとう…!』
シヴァ皇子の素直な言葉に拍手が沸き起こる。
エクセレン『え〜、それじゃあみんな、しばしのあいだご歓談を』

リュウセイ『これで豪勢なメシでも出てくりゃあ、最高なんだけどなぁ』
タクト『おっ、やっぱりそう思ったんだねリュウセイ少尉』
ライ『ここは白き月のなかだぞリュウセイ、贅沢を言うな。マイヤーズ司令も…』
タクト『まあライ少尉もそう言わずに。ミルフィー達に頼んでみるかな……』
???『その役目は、私に任せてもらおう』 リュウセイ『お? 今の声って…』 ライ『まっ、まさか…』
ドアが開くと同時に豪勢な料理運ばれてきた。
ミルフィーユ『みなさーん! お待たせしました! レーツェルさんやトウマさんと一緒に作った、
 特製バイキング料理です!』 エクセレン『うわ〜お! すごいじゃない!』 ライ『兄さん、何時の間に…』
レーツェル『フッ…謎の食通、お呼びとあらば即、参上だ』
アイザック『む…今回は無礼講だ。あえて突っ込まないで置こう』
フォルカ『トウマ、お前も手伝っていたのか?』
トウマ『ああ、飲食店で料理のバイトもやってたからな』
フォルカ『……バイトって何だ?』 トウマ『…は?』
世界が違えば常識も違うと言うわけで……。
エクセレン『そんじゃま、乾杯はタクト司令にお願いしちゃおうかしら?』
タクト『分かったよ、エクセレン少尉。
 エルシオール、エンジェル隊のみんな。そして地球から遥々やって来たみんな。
 君たちの活躍で「黒き月」をそしてエオニアを倒すことに成功した。本当に感謝している…。
 さて、今日は盛り上がっていこう!!それでは皆さん、乾杯!!!』
全員『乾杯――!!』

クスハ『飲み物のおかわりも用意してありますから、欲しい人は言ってくださいね』
エクセレン『ンガ! ウグググ…』 ヴィレッタ『クスハ、飲み物とはまさか…』
リュウセイ『あっ、あれか…あれなのかぁ…!』 クスハ『ううん、違うわ』
エクセレン『ああ〜ビックリした。例の栄養ドリンクかと思っちゃったわよ』
カナード『? なんだか知らんが、見た目はお茶みたいだけど…』
シン『ちょうどいい、喉が渇いてたんだ。一杯もらうよ!』
エクセレン『ねえねえクスハ。あれ、なに?』
クスハ『レーツェルさんが持ってきた、烏龍茶……を混ぜた、特製栄養ドリンクなんです!』
シン『ブゥゥゥーーーッ!!』 アスラン『な、なんだなんだ!?』 シン『グッ、ウググ…』
カガリ『シン、どうした!?』 シン『うっ、うう…』シン、前のめりに倒れる。
ルナマリア『シン、ちょっと大丈夫!?』 ヴィレッタ『この反応は…』
クスハ『ウッ、ウフフフフ…引っ掛かったわねシンくん』 ブリット『クッ、クスハ…?』
クスハ『ウフフフ、その栄養ドリンクの見た目と香りは烏龍茶。そういう風に調合するのも苦労したわ』
ブリット『なんでこんなことを…!』
クスハ『だってぇ、ここ最近はみんな警戒して飲んでくれないんだもん。これぐらいの工夫はしなきゃね』
カガリ『おっ、恐るべし特製栄養ドリンク……』

その頃…別席では。
レーツェル『ゼンガー、キョウスケ。これを食べてみないか』
ゼンガー『うむ、もらおう』 キョウスケ『いただきます』
レスター『アルモ、キョウスケ中尉たちが食べているあの料理はなんなんだ?』
アルモ『さあ? あっ、でも試食したココはレーツェルさんに材料を教えてもらったあと寝込んじゃったんです』
レスター『どんな食材を……あ、ミルフィーユ。お前なら知ってるよな。あの料理は一体どんな食材を使ったんだ…?』
ミルフィーユ『え!? えーっと…ちょっと、言いづらいんですけど実は……』
耳打ちで材料を教えるミルフィー。
アルモ『ええっ!?』 レスター『そんなものを使ってるのか!?』
ミルフィーユ『そうなんです。食べ見たら結構美味しかったんですけど……』
ゼンガー『ふむ、味は、なかなかのものだな』 キョウスケ『ええ』
アルモ『あの二人なら、材料の正体を知っても動じなさそうですね…』
レスター『ああ…言えてるな……』


◎第二部
エクセレン『さあ〜てみんな! 祝勝パーティ第2部、かくし芸大会の始まりよ〜ん!
 本日は審査員として、バルトフェルド代表達をお招きしていま〜す! みんな、拍手拍手!』
バルトフェルド『なはは、なんか照れるなぁ…』
ルル『あの、バルトフェルドさん…私、ここにいていいんでしょうか…?』
バルトフェルド『う〜ん、まあこの際細かいことは気にしないほうがいいな、ルルくん』
カミュ『そうだね。このような機会は、滅多にないしね』
ミルフィーユ『カミュさん! どうしてここに?』
カミュ『これだけの役者がそろっていて、僕だけがいないというのもおかしな話だろう?』
マサキ『なにをわけの分からねぇことを…』
エクセレン『まあ、いいじゃないのマーサ! それじゃ、一番目の人から張り切って行ってみよう!』

ブリット『一番! ブリックリン・ラックフィールド! クスハの名前を連呼しますッ!』
クスハ『えっ!?』
ブリット『スゥー… クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クスハァーーーッ!!』
見事なまでの叫びっぷりに歓声が起こる会場。
クスハ『えっ? えっ? どういうこと?』
リュウセイ『実は、お前の名前ってさ、結構、叫ぶの難しいんだよ…』
ランファ『そうそう。みんな何気に苦労してるのよ〜!』
クスハ『そっ、そんなことないよ』 フォルテ『じゃあ試しにやってみな』
クスハ『うっ、うん… スゥー… クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クスハ、クサ、クサ、クサ、クッ、クサ…?』
ランファ『…ほらね?』 クスハ『ふっ、ふぇ〜ん…』
エクセレン『さぁ〜て、点数は!?…5点! 8点! 7点! う〜ん、ちょっと渋いわねぇ〜…。
 カミュ君、5点を付けた理由は?』
カミュ『クスハは彼のハニーだったよね。立場上よく叫んでいるから、慣れていて当然じゃないかな?』
エクセレン『なるほどぉ〜、それじゃブリットくん、お疲れ様でした!』

エクセレン『さあ〜て続いて二番目の人どうぞ〜!』
リュウセイ『二番! 下り最そ…もとい、変形最速伝説、リュウセイ・ダテ!』
アヤ『あの子、手になにを持ってるの?』
悠吾『あれはリュウセイ君が今はまってる、ロボットアニメのおもちゃだよ』
リュウセイ『DX超合金・バーンブレイド3! 高速3段変形! 行くぜぇッ!!…(変形中)…コールドブレイド!
 …(変形中)…ブレイクブレイドォッ!!…(変形中)…そして、バーンブレイド! どうだ!』
マイ『すごい、リュウ…! 私は取説を見ながらでないと、変形させられないのに!』
アヤ『えっ? マイ、あなたもしかして…』 マイ『うん、私もあのおもちゃを持っている…!』
アヤ『まっ、まさかアニメも?』 マイ『うん、こないだリュウに全話見せてもらった!』
アヤ『あぁ〜…あの子の良くない影響が…』
エクセレン『さてさて、点数の方は〜…6点! 10点! 9点! おおっと!
 バルトフェルド代表から満点が出たわよん!」
バルトフェルド『メガロードが来た時に見たんだが、僕もバーンブレイドのファンになっちゃってね!』
ハイネ『ま、まじっすか……』 ディアッカ『代表もお茶目な所があるんだな〜』
イザーク『おい二人とも、代表に失礼だぞ……』

エクセレン『さて、次の方どうぞ〜!』
ライ『三番…ライディース・F・ブランシュタイン…マサキ達の物真似をやります…』
マサキ『へぇ、俺達のぉ?』
シロ『一体どんニャのかニャ?』
ライ『オホン!』
マサキ(ライ)『ありゃ? ここはどこだ? また迷っちまったぜ!…くっ、敵が来やがったか! 頼んだぜ、クロ! シロ!』
シロ(マイ)『オイラ達に!』
クロ(アヤ)『お任せニャ!』

リュウセイ『なんだなんだ!?』
ヴィレッタ『アヤとマイのあの格好は…』
エイタ『いわゆる、ネコミミ娘ってやつですね』

マサキ(ライ)『ようし、行っけぇ、ハイファミリア!』
シロ(マイ)『分かったニャ!』
クロ(アヤ)『シロ、行くニャ!』
シロ(マイ)『OKニャ!』

カーラ『…あのコスチューム、わざわざこのときのために作ったんだ…』
カティア『それにしても、マイって、シロの物真似が上手ねぇ…』
シロ『うん。オイラもびっくりしたニャ!』 マイ『ありがとう…ニャ!』
マサキ『でも、なんで俺達の物真似を?』 ライ『だっ…それは…大尉の独断で…』
アヤ『ウフッ、あたし、前からクロちゃんの役をやってみたかったの』
クロ『ンニャ!? ファミリアの座は、譲れないニャ!』
アヤ『えぇ〜! 一回だけでいいから、代わってくれない?』 クロ『嫌ニャ!』
アヤ『そんなこと言わずに、お願いニャ!』
エクセレン『え〜、それでは採点をお願いします!…8点! 9点! 10点!
 うわぁ〜お! いい点じゃない! ルルさん、その理由は?』
ルル『衣装まで用意したところに、意気込みを感じました!』
バルトフェルド『……これぐらいの点を付けてやらなきゃ、彼(ライ)がかわいそうだ』


エクセレン『はぁ〜い、それでは次の人、どうぞ!』
そう言うや否や、突如入り口から弐台が運ばれた。
テニア『うわっ、なにあれ!?』
メルア『マグロです!』
ミユリ『どこからあんなもの持って……シノン?』
シノン『あれ、クロガネにあった奴じゃ……』

レーツェル『四番、レーツェル・ファインシュメッカー。
 これより、マグロの解体ショーをお見せする! では、任せるぞ。我が友よ』
ゼンガー『うむ』
すらりと刀を抜く親分。
ゼンガー『我が名はゼンガー、ゼンガー・ゾンボルト。マグロを断つ、剣なりッ!! チェストォォォォォーーーッ!!』
親分の雄叫びと共に幾多の太刀筋が煌く。そして。
ゼンガー『我に…断てぬものなし!』
見事なまでの三枚卸を決めたのだが……。
マサキ『いっててぇ…頭ぶつけちまったぁ…』 リューネ『マサキ、大丈夫?』 マサキ『あっ、ああ…』
シロ『ビッ、ビックリしたニャア…』 クロ『まったくニャ…』
ゼンガー『…これは…』
エクセレン『あっ、あのおボスゥ…マグロどころか舞台までが解体されちゃったんですけどぉ…』
うっかりかくし芸大会用のステージまで両断してしまったのだ…。
ゼンガー『む……すまん』
アル=ヴァン『これでは、かくし芸大会は続行不可能だな』
レーツェル『ああ、残念だが…』
エクセレン『でも、あとひとりエントリーされてますから、それをやってもらって、終わりってことにしません?』
レーツェル『…良かろう』

エクセレン『てなわけで、かくし芸大会のオオトリは、
 ルナマリアちゃんとカガリちゃんのダブル・レーヴァテイル・コンサートぉ!
 二人とも今回の戦いで大切な人と巡り合えて嬉しい想い大爆発!』
シン『なにげに恥ずかしいこといってるな…』
エクセレン『そこで二人はそんな思いを込めた詩を紡いで見たんだそうです! それでは行ってみますか!』

ルナマリア『私達が紡いだこの詩を…!カガリ『私達の大切な人に…!』
一度は互いに離れ離れになったが、幾多の運命の果てに再び巡り合えた。
そんな奇跡を描いた詩「ループ」を、二人は詩の力によるイリュージョンを織り交ぜつつ歌った。
そして詩が終わった後は、全員が拍手喝采。会場は感動に包まれた。


こうしてかくし芸大会も終了し、祝勝パーティもお開きとなった。

エピローグ「新しい生き方」

エオニア、黒き月との戦いが終わって1ヶ月。
トランスバール本星の復興支援にも携わった地球救援部隊が地球に向けて旅立ち、
メガロードは新たに移住可能な惑星を求めて旅立って…2週間がたった。
勿論、救援部隊の何人かはトランスバールに残ってくれたりもした。

ファルス、レグ、シノン、ミユリの4人は、小規模人数による運行が可能な外宇宙航行艦開発チームの特別メンバーとなり、
夢への道を歩み始めている。
秋水達も、ガディソードの技術提供・最上重工のサポートと言う形でファルスたちの夢を後押しすることに。
カルヴィナ、カティアとアル=ヴァンは、フューリーの新たな受け入れ先としての可能性を見出し、
トランスバールも地球圏では納まりきれないであろうフューリーの人たちの受け入れにも快く応じた。
また、アクセル、メルア、ラミア、統夜、テニアの5人が組織したトランスバールの機動兵器部隊の戦技教導隊も
同時に兼任することに。

惑星オーブ、軍属病院。
その一室にて、ルナマリアは、床に就いているシンの看病をしていた。
最後の戦いの後、シンは心身ともに疲れ果てており暫くは休養せざるを得なかったのである。
エオニア軍に加担していたことも、ルフト達の計らいでチャラになったらしい。
シン『ごめん、ルナ…』ルナマリア『いきなりどうしたの?』
シン『俺、ルナを守るためには力が無きゃ駄目だと思ってた。けど…』
ルナマリア『そのことはもういいの。シンがそばにいてくれれば、シンが私のことを思ってくれれば、
 それで十分私を護ってるよ…』
シン『そうか…。ルナ、聞かせてくれないかな…あの詩を』
ルナマリア『もちろん…といいたいところだけど、もうすぐ来るから』
シン『え?』
ドアから新たに3人入ってきた。カナードとアスラン、カガリである。
カナード『大分よくなってきたようだな。これは、ガロードとウッソのビデオメールだ』
シン『カナードさん…ありがとう御座います』
アスラン『その様子だと、もう迷いはないみたいだな』
シン『はい。デスティニーに取り込まれたあのとき、機械に皇国への憎しみが奪われた様な感じがして。
 何とか抜け出せたときに自分が覚えていたのは、ルナとの約束…それだけでした』
カガリ『そうか…大事にしてやれよ、お互いにな』
ルナマリア『ちょ、カガリ!?』
カガリ『照れるな照れるな! あたし達のことも覗き見してたくせに!』
ルナマリア『な…知ってたの…』
シン『プッ…アハハハハ!』
そしてつられて笑いあう5人。そこには敵も味方もない。お互いに似た者同士の…仲睦まじい少年少女の姿があった。

ちなみに、ヘルハウンズ隊のメンバーはJ9組からの誘いもあり、
宇宙を又に駆ける始末屋稼業を請けるようになったらしい。

そして…トランスバール本星の仮設宮殿。そこでは遅ればせながらも公の場での叙勲の儀が行われていた。
シヴァ『マイヤーズ、このたびは真に大儀であった。そなたの働きで、トランスバール皇国は救われたのだ』
タクト『ありがたきお言葉、痛み入ります』
シヴァ『うむ。………今日はやけに素直だな?』
タクト『いやー。さっさと終わらせて、この後のパーティを楽しみたいもんで』
シヴァ『ふふっ、そんな事だろうと思った。実は私も、同じことを考えていた所だ』
ルフト『ゴホン! 大事な儀式の最中に、雑談などしていただいては困りますな、シヴァ陛下』
シヴァ『わ、わかっている。先を続けてよいぞ、ルフト宰相』
タクト『二人とも、だんだん肩書きが板についてきたじゃないですか。
 ねぇ、シヴァ皇王陛下に、ルフト宰相閣下?』
ルフト『よさんか、タクト。宰相閣下などと呼ばれると、むずかゆくなるわい』
シヴァ『そうだ。私も、堅苦しい呼び方をされるのは好かん』
先の戦いの後、シヴァは皇王(正確には女皇)となり、ルフトは宰相となった。
(後に明かされるが、シヴァは本当はジェラール皇王と聖母シャトヤーンの間に生まれた皇女である)
タクト『といったって、今はおふたりとも、准将でも皇子でもないわけですし。
 他に呼び様が無いじゃないですか?』
シヴァ『それはそうだが……』
タクト『なに、直ぐ慣れますよ。ところで、シヴァ陛下。破壊された皇宮はいつ再建するんですか?』
シヴァ『いや…あの場所に再建はせず、この仮設宮殿にそのまま移転しようと思っている…』
エオニアは失ったもの…取り戻しようの無い過去を取り戻そうとして足掻いた末路に命を落とした。
だが、シヴァは新しい場所で新たな一歩を踏み出したい。そう思っての決断だとシヴァは言った。
レスター『あー。そろそろ式典の続きに戻っていただけませんか?
 後がつかえているんですが』
タクト『何だ、いたのかレスター?』
レスター『白々しくとぼけるな。さっきからいただろうが』
レスターは辺境調査隊の司令として就任することになった。
表向きはエオニア軍の残党の捜索だが、黒き月のようなロストテクノロジーが存在しないかというのが、
調査隊の主な任務である。
シヴァ『エオニアが掲げていた目的を、この私が実行する事になるとは思ってもみなかったがな』
タクト『同じ目的でも、エオニアとシヴァ陛下では、大いに違いがありますよ。
 エオニアは過去に固執し、ロストテクノロジーを歪んだ形で利用しようとしていた……。
 でも、シヴァ陛下は未来を見据えている。
 その志がある限り、皇国の未来が誤った方向へ進む事は無いでしょう』
シヴァ『うむ、私はここに誓おう…皇国の未来が、
 万民にとってより良きものとなるよう、最大限の努力をすると』
タクト『期待してますよ、シヴァ陛下。…レスター、辺境に出発したら、暫くあえなくなるけど…元気でな』
レスター『タクト……。お前、本当に決心は変わらないのか? 辺境調査の任務だって、出来ればお前に……』
ルフト『そうじゃ、考え直す気は無いか? お前が、軍なり政府なりに残ってくれれば、
 わしとしても心強いのじゃが……』
タクト『もう決めた事です。俺は、新しい生き方を見つけましたから』
シヴァ『そうか…。では、もう何も言うまい。達者でな、タクト・マイヤーズ……』

ミルフィーユ『みんな…わざわざ見送りに来てくれて、どうもありがとう』
トランスバール本星軌道上の宇宙港ロビー。
そこでは私服姿のミルフィーが皆に別れの挨拶をしていた。
ミント『本当に行ってしまわれるんですの? 私たちも「白き月」も、ミルフィーさんのおかげで助かったと言うのに…』
ミルフィーユ『ありがと、ミント。でも、あたしはもう紋章機を動かせなくなっちゃったんだもん…』
ランファ『だからって、エンジェル隊を辞めることはないじゃない…』
ミルフィーユ『もう決めた事だから。それに……紋章機が動かせなくなったのと一緒に、
 極端な運もなくなっちゃったみたいなの。なんだか…これからは、普通にうまくやっていけそうな気がするんだ。
 …あ、「普通にうまく」って、ちょっとヘンかな?』
フォルテ『ミルフィーなら、どこに行ってもうまくやれるよ。エンジェル隊の事は心配いらない。
 あんたの分までしっかり働いて見せるからさ。それに、地球から来たみんなもいるしね』
ミルフィーユ『はい。フォルテさん、今までありがとうございました』
ヴァニラ『落ち着いたら……連絡ください』
ミルフィーユ『うん、ヴァニラ。楽しみに待ってて!』
クロミエ『ミルフィーさん、シャトヤーン様からメッセージをお預かりしてます。
 「いつでも遊びにいらっしゃい。白き月は何時でもあなたを歓迎します」とのことです』
ミルフィーユ『シャトヤーン様…。ありがとう、必ず遊びに来ますってお伝えしてちょうだい』
ランファ『ミルフィー…ホントに、元気でね』
ミルフィーユ『ランファ、そんなに悲しまないで。二度と会えないわけじゃないんだし』
ランファ『か、悲しくなんか無いわよ! むしろ、アンタとの腐れ縁が切れて、せいせいしてるくらいよ!』
フォルテ『ったく、素直じゃないねぇ、ランファは』
ヴァニラ『ミルフィーさん……そろそろ時間です…』
ミルフィーユ『あっ、もうシャトルが出る時間だわ! 早く行かなきゃ』
ミント『お名残惜しいですけど、さよならですわ』フォルテ『元気でやるんだよ、ミルフィー』
ヴァニラ『……今まで、お世話になりました』
ランファ『絶対に連絡よこしなさいよ!
 そうじゃなかったら、宇宙の果てまで追いかけてでも、ぶん殴ってやるんだから!』
ミルフィーユ『うん、分かってる。みんなも元気でね。それじゃ…』
クロミエ『あ、ミルフィーさん。ちょっといいですか?』 ミルフィーユ『え、何?』
クロミエ『宇宙クジラからの伝言を忘れる所でした。
 「幸せは、無垢なる少年達に導かれて、思いのほかすぐに、あなたの前に現れるだろう」…だそうですよ』
ミルフィーユ『え? 幸せって…? …あ、いっけない! 本当に乗り遅れちゃう! それじゃあ、みんな、さようなら!』
ちょっとした引っかかりを覚えつつも、笑顔で別れを告げたミルフィー。

フォルテ『やれやれ…。最後まで、あわただしい子だね、ミルフィーは』
ミント『強運のおかげで色々振り回されもしましたけど…』
ヴァニラ『今となっては、いい思い出ですね…』
ノーマッド『それにしてもミルフィーユさんは、どうして極端な運が無くなってしまったんでしょうね』
ミント『さぁ…紋章機を動かす力を失った事と、何か関係があるのでしょうか?』
フォルテ『さてね…。でも、これだけは言える事はあるよ。
 運ってのは、人間の力でコントロールできるようなもんじゃない。そんな事があっちゃいけないものなんだ。
 でも…ミルフィーはたった一度、そのやってはいけないことをやった。だから力を失ったんじゃないかね』
ヴァニラ『…そうなのかもしれません…』
ランファ『でも、これでよかったのかも。あの子、自分の強運を、内心では嫌がっていたから。
 それに、運が味方しなくなって、ミルフィーなら、どこにいったって幸せに暮らしていけるわ』

そして………

ミルフィー『あ〜あ、バスが行っちゃった。タッチの差だったのになぁ。
 次のバスが来るのは…えーっ、3時間後! ツイてないなぁ…ってそうか、
 もうツイてるツイてないは関係ないもんね……。はぁ…タクトさんは、今頃どうしてるのかな…?
 …さて、と、バスが来るまで、お茶でも飲んでようっと』
???『そこの綺麗なお嬢さん、お茶しない?』ミルフィーユ『えっ……?』
声の主に視線を合わせるとそこには…
タクト『やあ、ミルフィー。久しぶり』
ミルフィーユ『た、タクトさん! どうして!?』 タクト『俺、軍を除隊したんだ』
ミルフィーユ『ええっ!?』
タクト『ねぇ、ミルフィー。前に、またピクニックに行こうって約束したよね?』ミルフィーユ『は、はい…』
タクト『あの約束は、まだ有効かな?』ミルフィーユ『え?』
タクト『俺、これからは、どこかで平穏な生活をしようと思ってるんだ。
 そう…のどかな場所で、誰かと毎日ピクニック出来るような生活を…ね』
ミルフィーユ『タクトさん…!』 
タクト『というわけで、どう? 俺とピクニックに行かない?』
ミルフィーユ『…はい! もちろんです、行きます、あたし!』
タクト『よかったぁ。ありがとう、ミルフィー。それじゃ行こうか。俺たちのピクニックに』
ミルフィーユ『はい! どこまでも、ついて行きます!』


マリス『うまく行ったようですね…』 悠吾『二人とも、すっごくいい笑顔だね』
ミルフィーとタクトが再会した場所からかなり離れた所に、悠吾とマリスがいた。
そう。悠吾たちはタクトに頼まれ、彼をリヴォウルト(勿論エンジェリアン装備)に乗せて、超特急で来たのだ。
宇宙クジラが言っていた「無垢なる少年達」とは彼等の事だったのである。
悠吾『ずっと一人だったから、こういうのはよく分からないけど…(二人の幸せそうな姿を見ると、なんとなく分かる気がする)』
マリス『悠吾?』 悠吾『あ、なんでもないよマリス。それじゃ行こうか』
マリス『ええ! 私たちとリヴォウルトでこれから何が出来るか…それを探すために…!』
悠吾『その答えと…新しい世界を探すために! 飛べぇ! リヴォウルト!』
悠吾がそう叫ぶと同時に、リヴォウルトは鋼鉄の翼をはためかせ、遥かなる星の海へと飛び立った……

こうして、トランスバールをめぐる戦いはひとまずの終焉を迎えた。
新たなる戦いに備えるもの、別の戦いに挑むもの、戦いから身を引くもの…様々な未来を紡ぎだす。
彼等に待ち受ける未来はいかなるものなのか、今は誰も知る由も無い。

今はただ…天使と戦士達に休息を……

スーパーロボット大戦GA FIN


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