ファルガイアからの星間通信を受け一旦極東基地に戻ったハガネ。
テツヤがその通信内容を確認した後、急遽ミーティングが行われることになった。
テツヤ「みんなに集まってもらったのはほかでもない。ファルガイアの状況を報告しようと思ってな」
そう前置きしてミーティングは始まった。
フウカ「まず、マサキさん、海さん、風さんたちに嬉しいニュースよ。マサキさんの妹さん達と光さんの所在が明らかになったわ」
風「本当なんですか?」
マサキ「プレシアたちはどこにいるんだ!?」
フウカ「安心して。彼女達とオートザムの戦艦NSXは現在ギャラクシィ・ユニオンズと合流、行動を共にしているそうよ」
シロ「って事は、ファルガイアにいるということにゃんか?」
クロ「そのようね」
リューネ「よかったね。海」
海「ええ!」
風「ですが、どうしてファルガイアに…?」
テツヤ「…それとケイオス君、だったか?」
ケイオス「はい、何ですか?」
テツヤ「以前君と行動を共にしていたコスモスも現在ギャラクシィ・ユニオンズと行動を共にしているみたいだ」
ケイオス「コスモスが?」
ジン「これは意外な展開ですね…」
テュッティ「でもどうしてレイアースやグランゾンたちはファルガイアに……?」
ウェンディ「これは私の推測だけど…地上送還を行ったときに、少し違和感があったのよ」
マサキ「違和感…?」
セニア「空間…というか、次元空間が不規則に乱れている感じというか…」
フウカ「……それ、ディメンショナル・タービュランスじゃ無いでしょうか?」
セニア「デ、デメションナル…?」
フウカ「あの…ディメンショナル・タービュランスです…(汗)」
テツヤ「…どういうことだ?」
フウカ「以前レフィーナ先輩からフューリア戦役のあらましを聞かせていただいたとき、
 シャドウミラーとの戦いで次元転移が行われたといいてます。
 一説では、次元制御は周辺の次元に何らかの影響を及ぼすとも言われていて、何が起こるかわからないそうです」
ウェンディ「その影響の一つが、ディメンショナル・タービュランス…次元の乱気流といわれるのね」
リューネ「それにしても、良くそんなこと知ってるね。その上ハガネの副長に抜擢されるなんて…」
フウカ「いえ、それほどでは…戦闘指揮はまだまだオノデラ艦長やレフィーナ先輩には及びませんし…」
ウェンディ「それと、もう一つのファクターとして、ケイオス君たちを導いたって言う謎の声が干渉してるんじゃないかしら?」
ケイオス「あの声か…一体何者なんだろう」
ジン「やはり、ケイオスでも分らない存在ですか…」
そのことはとりあえず保留という形になった。
テツヤ「それとここからは悪いニュースだ。ルオゾールの軍と思しき部隊がファルガイアにも出現した。
 その中には、これまでの戦いで死亡した者を蘇生して使役しているそうだ」
マサキ「何だって!?」
海「ルオゾール…死者を利用するなんて…」
竜馬「死んだ人間は帰ってこねぇ…それをひっくり返すようなことはあっちゃならねぇ…」
弁慶「リョウ…」
テツヤ「それと…ラトゥーニには言いづらいのだが…甦った者たちの中に、オウカ・ナギサの姿もあったそうだ」
ラトゥーニ「オウカ姉様が…」
リュウセイ「大丈夫だラトゥーニ。向こうにはアラドとゼオラがいる。それに、俺の知ってる限りで心強い仲間がいるからな」
ラトゥーニ「リュウセイ…」
マイ「もしこっちにも来たら、私たちも手伝うから…」
ラトゥーニ「マイ…ありがとう」

ヴィレッタ「それで、私たちの今後の行動は?」
テツヤ「それに関してなんだが、近々行われる他星間共同サミットの護衛任務を指示された」
フウカ「アステロイドベルトにいるヒリュウ改も来客と一緒に来るそうです」
ギリアム「たしかにそれほどの大きい任務なら我々の力も必要になるな」
テツヤ「各機はサミットに備えてメンテナンスを行っておく、それまでの間、半弦休息をとっておけ」
ヴィレッタ「了解したわ」
こうして、数日間の休息をえたリュウセイたち。
そんな中、リュウセイはラトにジャーダたちに会いに行ったらどうだと提案する。
すこしは気持ちが落ち着くだろうというリュウセイなりの配慮であったが、ラトゥーニはそれを受け入れる。
そしてフューリア戦役中に知り合っている統夜とテニアが一緒にジャーダのところへと向かったのであった。
あと、何人かは別の理由で外出するそうな。

サブシナリオ07「穿つ石弓、甦る炎」前編

暗闇の中、一人の少年が一つの影と邂逅する。
(……)
「……」
(……また……あんたか。一体、何モンなんだ……?)
「……」
(なんで俺の夢の中に出てくる……?)
「……ゲートが……開かれた……その波動が…俺を…眠りから…」
(意味……和わかんねえよ。何なんだよ、一体…)


地球の極東の島国、日本の東京・浅草地区、アズマ研究所…
ショウコ「お兄ちゃん! 起きて、お兄ちゃん!」
コウタ「う……なんだ、ショウコか」
ショウコ「なんだ、じゃないわよ。あたし、出かけるからね」
コウタ「どこへ行くんだ?」
ショウコ「かなめさん達と一緒にほおずき市。それとガーネットさんトコへ顔出すわ」
コウタ「待て、今日は人手が多いからな、俺も行くぜ」
ショウコ「んも〜。お兄ちゃんてば、心配性なんだから。ショウコは一人でも大丈夫よ」
コウタ「そういうわけにはいかねぇ。特にかなめにはアイツがいるからな」
ショウコ「た、確かに相良君はアレだけど…別に遠出するわけじゃないもん。お爺ちゃんにもそう言っといて」
コウタ「……その爺ちゃんはどこだ?」
ショウコ「さあ……地下の研究所にこもってるんじゃないかしら」
コウタ「またワケのわからん発明か……しょうがねえな」
ショウコ「じゃ、あたし……行ってくるから」
コウタ「お、おい! 待てよ、ショウコ!」

その頃、コウタとショウコがいる家の地下室…。
そこには、あるものの機動テストを行っている人物がいた。彼の名はキサブロー・アズマ。
キサブロー(……漸く動いた……ここまで来るのにずいぶんと時間がかかってしもうたわい。
 これで、あの男が目覚めるかもしれん……ワシがあと30年若ければ共に戦って追ったのじゃが……
 伝えねばならん……真実を。ワシの孫に……)


浅草・雷門前。
ジャーダ「よお、ラトゥーニ! こっちこっち!」
ラトゥーニ「ジャーダ……」
統夜「あの時はお世話になりました。ご馳走までしてもらって…」
ジャーダ「ああ。料理の作り甲斐があったって、ガーネットが喜んでたぜ」
統夜「けど…大丈夫でした? アイツ、人一倍食うから…」
ジャーダ「一倍どころか、五倍はいってたけどな。アラドが女の子になった見たいな感じだが、育ち盛りだから気にするするな」
ラトゥーニ「ジャーダ…新しい家、もう落ち着いたの?」
ジャーダ「おう。場所が浅草なのが、王女らしいって言うか」
統夜「王女って…リクセントのシャイン・ハウゼン王女のことですよね?」
ラトゥーニ「DC戦争終結時に皆で行ったことがあるから…」
統夜「そうだったんだ…」
ジャーダ「ガーネットも気に入ってるよ。近所の人も親切だし、子供を育てるにもよさそうだ」
ラトゥーニ「双子は元気?」
ジャーダ「ああ。もう二人そろっておなかの中で大暴れさ。先が思いやれれるぜ」
統夜「俺も、早く顔を見たいです。ゼオラたちもそう思いますよ」
ジャーダ「ああ…ところで、お前さんの相方は?」
統夜「あ、あれ? さっきまでそこにいたんだけど…」
統夜の視線の先には…
テニア「…この焦げたソースの匂い…蒸したマンジュウ…出来たての人形焼きの匂い…ギザたまらんスな〜…」
立ち並ぶ店頭に目を輝かせている赤髪の女の子がそこにいた。
統夜「テニア…「ギザ」ってどんな言葉だよ…」
テニア「統夜! 焼きそば食べようよ〜!」
統夜「何言ってんだよ。アンタ今月分の所持金ほとんど使っただろ。カティアから聞いたぞ」
テニア「そうでした…お願い、貸して?」
統夜「駄目だ。いつも食費で結構ぎりぎりなんだから少しは節約してくれよ…」
ジャーダ「焼きそばぐらい俺がおごってやる。ほら、買ってこいよ」
テニア「え、いいですか!?」
ジャーダ「おう、食えるだけ食って来い」
テニア「あ、ありがとうございます!」

テニア「すいませ〜ん!」
バイトの青年(トウマじゃないよ)「へい! いらっしゃい!」
テニア「焼きそばくださ〜い!」
バイトの青年「あいよ! で、何人前だい?」
テニア「鉄板に乗ってるの全部!」
バイトの青年「す、すごいね、君……! もしかしてプロ……?」

統夜「あの、ジャーダさん。気持ちはわかりますが…
ジャーダ「ずっとトランスバールやファルガイアにいて漸くの休みだろ。こういうときは思いっきり羽を伸ばせよ。
 本来なら、お前たちもまだ学生なんだし、もっと遊んでいい年頃なんだからな」
統夜「す、すみません」
ラトゥーニ「……」
ジャーダ「どうした?」
ラトゥーニ「なんだか向こうのほうが騒がしい…」
ジャーダ「お? 喧嘩か? 喧嘩と何とかは江戸の華てな、すこし見に行こうぜ」

ジャーダたちの向かう先には、テニアとショウコ、そして不審な男が一人。
テニア「いや、あの…もういいから…」
ショウコ「良くないっわよ。ぶつかってきたのはあいつなんだから」
???「……」
ショウコ「あなたね、この子の焼きそば落としておいて、知らん振りは無いでしょう!」
???「…下らん」
ショウコ「何言ってんの! あたし見てたんだからね。あなたがこの子達にぶつかったのを!」
???「下らんといったぞ小娘。凡人の分際で、この俺に抗ったことは許せん」
ショウコ「え……?」
???「あの世で後悔するがいい」
テニア「あ、危ない!」

その時、脇から入ってきた少年が二人をかばい、男の拳を受ける。
「ぐぁ…」
テニア「え…」
ショウコ「ば…バレル君!?」
???「ほう…俺の拳を受けきるとはな。だが、それきりのようだな」
バレル「ぐ…二人とも、逃げるんだ…」
???「だが、これで終わりだ」
男はバレルといった少年に拳をつかんとする。そのとき、その拳を止める男が現れる。
???「ぬぅ!?」
コウタ「……てめぇ、俺の妹に何をしやがる」
ショウコ「お、お兄ちゃん!」
???「小僧…! 俺の拳を!」
コウタ「ここは天下の往来だ。ここで女に手を上げる奴ぁ、お天道様が許してもこの俺が許なねぇ」
宗介「俺も許すわけにはいかんな」
さらに現れるは、神代高校2年4組の相良宗介。
???「フン…まあいい。どうせお前たちはここで…」
コウタ「てめぇ、何言ってやがる。いや、それ以前に…どこのモンだ?」
???「知ったところでどうにもならんぞ。小僧」
コウタ「小僧じゃねぇ。コウタ・アズマだ」
???「フン…俺の国では名も無きまま死んでいく者など掃いて捨てるほどいる。せいぜいあがくがいい、虫ケラ共」

コウタ「あ、てめぇ! 待ちやがれ!!」
ショウコ「お兄ちゃん、待って!」
コウタ「ショウコ…」
ショウコ「あの人、何か危ないよ。関わり合いにならないほうがいいよ」
宗介「奴の後ろにつくものは何者か知らん今、下手に追わんほうが得策だ」
コウタ「へいへい。お前の言うことはちょっとあれだが、事実だもんな。それより…バレル、大丈夫か?」
バレル「う、うん…急所じゃなかったから、多分大丈夫」
ショウコ「良かった…テニアさん、焼きそば残念だったね」
テニア「ううん…あたしも、皆を巻き込んじゃって…」
統夜「テニア!」
ジャーダ「大丈夫か、お前!」
かなめ「宗介! コウタ君!」
ショウコ「あ、ジャーダさん」
ジャーダ「ショウコ…コウタに相良、かなめちゃんもか」
コウタ「テニア達、ジャーダさんのつれだったのか?」
ジャーダ「ああ」
ラトゥーニ「どういうこと?」
ジャーダ「この二人は、俺とガーネットが世話になってる町内会長さんのお孫さんなんだ」
ショウコ「ショウコ・アズマです。で、こちらが兄の…」
コウタ「コウタ・アズマだ。よろしくな」
ラトゥーニ「ラトゥーニ・スゥボータ…よろしく」
ショウコ「もしかして、ジャーダさんの言っていた娘さんって…」
ジャーダ「そう、この子の事さ。で、相良達はいいとして、そこの子は?」
かなめ「ああ、彼は…」
バレル「えっと…バレル・オーランドです」
宗介「彼は父親の都合で、神代高校へ海外留学生として来たばかりだ。だから案内として千鳥と一緒にここに来た」
統夜「そうなんだ…俺、紫雲統夜。宗介の友人だ」
テニア「あたしはフェステニア・ミューズ。テニアって呼んでね」
バレル「うん、よろしく」
統夜「ごめんな、ショウコ。ちょっと面倒なことが起きちゃって…」
ショウコ「ううん。悪いのは、さっきの人のほうなんだから」
コウタ「お前もお前だ。喧嘩売る相手を選べよ」
ショウコ「だって……テニアさんがあんまりしょげた顔をするもんだから、可愛そうになって…」
コウタ「俺たちが通りかからなかったら、どうなってたと思うんだ。心配かけさせんじゃねぇ」
ショウコ「ごめん…」
バレル「…妹想いなんだね。コウタ君は」
ショウコ「うん……でも、ちょっと過保護かも」
コウタ「誰が過保護だ、誰が。だいたいな、お前みたいな怖いもの知らずは、危なっかしくて見てられねえ」
ショウコ「それはこっちの台詞よ。お兄ちゃん、いつも喧嘩ばかりしてるじゃない」
コウタ「てやんでえ。誰彼構わず喧嘩を吹っかけてるわけじゃねえや」
ショウコ「それはわかってるけど…ショウコはいつも心配してるんだよ。お金遣いだって荒いし」
コウタ「け、喧嘩と金は関係ないだろ!」
ショウコ「じゃあ、お財布の中を見せてよ」
コウタ「う……そ、それは」
ショウコ「あ〜っ、やっぱり! 今月分、もう使っちゃったのね!?」
コウタ「……え、江戸っ子は宵越しの銭をもたねえんだよ」
ショウコ「またそんなこといって! 前借なんて認めないからね! お爺ちゃんにも言っとくから!」
コウタ「く〜っ、厳しいぜ…」
ラトゥーニ「……似てる」
かなめ「え? 誰に?」
統夜「ああ、どこと無く」
テニア「同感だね」
ジャーダ「ああ。そうだな」
宗介「?」
バレル「…兄妹か…」
統夜「バレル…?」
バレル「僕は養子だから…兄弟はいなくて」
統夜「大丈夫さ。俺も一人っ子だったから」
コウタ「……まぁ、何だ。こうやって知り合ったのも縁って奴だ。俺たちが浅草を案内するぜ」
ショウコ「あたしも付き合うわ。みんなに浅草でいい想い出をのこしていって欲しいし」
統夜「それじゃ、遠慮なく」
コウタ「そうと決まれば、まずは腹ごしらえだな。
 ファルガイアとやらのもんに負けない位うまいとって置きの焼きそばをご馳走するぜ」
ショウコ「お兄ちゃ〜ん、お金ないんでしょ〜?」
コウタ「うっ…そうだった」
ショウコ「もう、しょうがないわね。ここはあたしがご馳走するわ」
かなめ「あたしも手伝うわよ、ショウコちゃん」
コウタ「へ!?」
ジャーダ「待て待て。それじゃ、大人の立場ってモンが…」
かなめ「ジャーダさんは、出産で何かと入用でしょ? あたしたちに任せて」
ジャーダ「いや、だからってなぁ」
ショウコ「将来に備えて、ちゃんと貯金しなきゃ駄目です。ガーネットさんも、そう言ってるでしょ」
ジャーダ「は、はい。すんません」
コウタ「……」
宗介「どうした、コウタ」
コウタ「ドに超がつくほどケチのショウコがおごるなんて……明日は槍の雨が降ってくるぜ」
宗介「昔の戦争以外で槍の雨など降ったことあるのか?」
ショウコ「言っときますけどね、あたしはケチじゃなくて、お金の使い道をきっちり見極めてるだけなの」
コウタ「あ〜そうかいそうかい」
ショウコ「なぁに、その反応? お兄ちゃんの分は、ツケにしとくから」
コウタ「ちょ、ちょっと待て! そりゃねえだろ!!」
ショウコ「文句言わない。さ、行きましょ」

ショウコ「焼きそばを食べに行く前に、ここでお参りしていきましょ」
バレル「え? 何で?」
かなめ「今日は、四万六千日分お参りしたのと同じ御利益があるっていわれてるのよ」
バレル「そうなんだ…」
ジャーダ「じゃ、ガーネットの安産を祈願しとくか」
テニア「あ、あたしも! アラドの代わりに!」
統夜「俺も。こっちはゼオラの代わりにだね」
ラトゥーニ「皆合わせて二十七万六千日分……」
ジャーダ「お前たち…ありがとう」
コウタ「俺とショウコの分も足して、三十五万九千日分だ」
ショウコ「お兄ちゃん……三十六万八千日ぶんだから」
コウタ「か、数を数えんのは不得意なんだよ」
ショウコ「そうよね〜。お小遣いも計算して使ってないもんね〜」
コウタ「る、るせぇ」
ジャーダ「お前らもありがとうよ。これだけお祈りすりゃあ、安産間違いなしだぜ」
バレル「千鳥さんと相良君は、どんなことを?」
かなめ「そりゃ、こんな平和な日が続きますようによ」
宗介「俺もだ」
かなめ「いや、この平和を乱す原因のほとんどがアンタなんだけど…」
バレル「ははは…」
コウタ「じゃ、俺は先に店へ言ってるぜ、席をとっとかなきゃな」
ショウコ「お願いね、お兄ちゃん」
宗介「俺も行こう」
かなめ「…コウタ君に迷惑かけんじゃ無いわよ」

???(……ふん、『鍵』の手がかりは今のところなしか。だが、彼奴らはここに反応があったといっていた。
 手筈通り、戦鐘を鳴らすとしよう。再びこの世界に…な)
浅草周辺の外れにいる胡散臭い男は、思案の後に行動を起こす。
彼の思案には、かつてここにいた事があるかのような思わせぶりであった。
???「では、瞬転の準備を」

そのとき、浅草の地に巨大な影が突如出現した。


ジャーダ「!?」
ショウコ「な、何!? いきなり出て来た!!」
バレル「あれはインスペクターの!」
ラトゥーニ「どうしてこんな所に…!」
統夜「いや、ゾヴォーグとはもう和平を結んでいるはず」

コウタ「な、何だよ、ありゃあ!?」
宗介「ゾヴォーグの機動兵器だと…!」

ジャーダ「あいつ等、敵なのか!?」
テニア「うん。インスペクター…今はゾヴォーグって言うっけど、そいつらが使っていた機体だよ!」
ジャーダ「何だって!?」
ショウコ「お兄ちゃん……!」
かなめ「ショウコちゃん! そっちには!」
ショウコ「でも、お兄ちゃんと相良君があっちに!」
かなめ「待って! あたしも行くから!」

ゾヴォーグの機動兵器は、ところ構わず破壊活動を行っている。

ジャーダ「! あ、あいつら!」
コウタ「やめろ、てめえら! 俺達の街に何てことしやがる!」
???「フハハ、燃えろ、燃えろ! そして、『鍵』を呼び出せ!! あれは、この地にあるはずなのだからな!」

かなめ「や、やば!」
ショウコ「こ、こっちに来た!」
コウタ「ショウコ!!」

???「ほう……さっきの小僧らか。丁度いい……俺に楯突いた報いを受けろ!」
コウタ「なッ…!!」
宗介「いかん!?」
ショウコ「お兄ちゃん! 逃げてぇぇぇぇッ!!」

ゾヴォーグの兵器の咆哮が、コウタと宗介のいた場所を爆炎に包む…

ショウコ「ああっ!!」
ジャーダ「コ、コウタ!! ショウコ!」

かなめ「そ…宗介!」
宗介「ぐ…俺は、大丈夫だが…コウタが…」
かなめ「な、嘘でしょ!?」
ショウコ「お、お兄ちゃん! お兄ちゃぁぁぁん!!」

???「ハハハハ! 戦鐘は鳴った! 弱者は死ね! 死に絶えろ!! そして、今度こそわれらの世が始まる!
 血と肉と鋼鉄の世界が! 力こそが全ての世界がな!」

ショウコ「!!」
かなめ「こんどはこっちに!?」


コウタ「ぅ……こ、ここは…?」
コウタの視界には夢にあった暗闇。
コウタ「これは……いつもの夢か…?」
???「……」
現れるは、夢に見たローブを纏う影。
コウタ「……また、あんたか」
???「甦る時、目覚め…」
コウタ「今は…アンタの戯言に付き合ってる場合じゃ…ねぇ…俺は、ショウコを…あ、浅草の街を…
 あいつらの…好きにさせるわけには…!」
???「お前に力を与えよう…」
コウタ「な、何…!?」
???「俺とお前が一つになればお前は炎の戦士となる…
コウタ「炎の戦士!? て、てめえはいったい…!?」
???「我が名はロア…戦士ロア」
コウタ「ロ、ロア…!」
ロア「俺達の敵は、異世界からの侵略者…秩序を乱さんとするもの…」
コウタ「あいつらが…そうだってのか!?」
ロア「ああ…彼らと戦う力を…俺の魂と鎧をお前に授けよう」
コウタ「それで、ショウコ達を助けられるってのか…!?」
ロア「お前がそれを受け入れるのなら…」
コウタ「……よ、よし……わかった! てめえの言うことを聞いてやる!」


???「死ね、小娘!!」
ショウコ「あ、あああ……!」
バレル「ショウコちゃん! 千鳥さん!」

その時、凄まじいエネルギーが巻き起こる。

キサブロー「む? この反応は……!?」
???「何だ!? これは……覇気か!?」
コウタ「……」
宗介「コウタ…!」
ロア「お前の魂と鎧、お前に預けるぞ」
コウタ「あ、ああ!」
宗介「…一体何をするつもりだ!?」
コウタ「吼えよ。バーナウ……レッシー・バトー……!」

コウタ「バーナウ! レッシー・バトー!」

ロア&コウタ「ファイター・ロアッ!!」

コウタとロアの叫びが一つとなったとき、紅き炎が吹き上がり、
炎の中に深紅の鎧を纏った戦士が現れた。

???「何だ、ヤツは!?」
ショウコ「あ、あれ……お兄ちゃん…!?」

コウタ「これがファイター・ロア…! この鎧、見た目よりかなり軽いな。まるで普通の服みたいだぜ」
ロア「俺が指示を出す。あのマシンと戦うのだ」
コウタ「ちょっと待て! アンタはどこにいるんだ!?」
ロア「俺の魂は、お前が身に着けているロア・アーマー…そのクリスタルに宿っている」
コウタ「魂? さっきもそんなこと言ってたけど、もしかして…」
ロア「俺の身体は、ある者との戦いで失われた。俺の大切なものと共に…」
コウタ「……ッ!」
ロア「戦うのだ、少年よ。お前の大切なものを守るために。お前になら、出来る」
コウタ「…聞くって言ったからな、やってやるぜ。それから、俺の名前はコウタ。コウタ・アズマだ」
ロア「……!」(アズマ…もしや、キサブローの?)

???「あれが『鍵』…? いやあんな物ではないはずだ。邪魔者は叩き潰す! 行け!」
ショウコ「あ…ああッ!」
コウタ「ここは危ねえ! 早く逃げろ!」
ショウコ「!! い、今の声は……!?」
バレル「ショウコちゃん、今は彼の言うとおりだ。早く非難を!」
ショウコ「は、はい!」

統夜「宗介! お前は…!」
宗介「俺はアイツを援護する。お前たちは連絡を!」
統夜「わかった!」 

宗介「…アレを持ってきて正解だったな…む」
海「さ、相良君!」
宗介「龍咲、鳳凰寺!?」
風「話は後です。今はこの事態に!」
宗介「そうだったな。お前たちは…」
風「私たちは魔法騎士です。生身でもある程度は戦えます!」
宗介「わかった。極東の防衛部隊が来るまでの時間稼ぎだ。行くぞ!」


コウタ「虫メカめ! こっちだ! 俺が相手になってやる!!」

キサブロー(……やはり、目覚めたか、ロア……そしてコウタ……すまん。
 真実を告げる前にお前を巻き込んでしもうた。そして、今のワシに出来ることは…)

ファイター・ロアとなったコウタは、ガンセクトを町外れのほうに誘い込む。
そして、息巻いて反撃を行おうとした矢先…3つの影がファイター・ロアのそばに並ぶ。


そのうち二人は、軽装の鎧をまとい、剣を構える少女。
そしてもう一人(?)は…銃を持つ着ぐるみ。

コウタ「な、あんたらは…?」
海「ほおずき市だったもんだから風と一緒にお参りしてたのに!」
風「ここは一緒に戦わせていただきます!」
ボン太くん「ふもっふ!」
コウタ「……その着ぐるみ…もしかして相良か?」
ボン太くん「ふも…ッ!(な、なぜわかった!?)」
コウタ「いや、そのボン太くんのふもふも声と同時にあんたの声が聞こえるから…」
ロア(ロア・アーマーの機能で翻訳させた)
コウタ(なるほど…)
ボン太くん「ふもふも(中略)…
 (なら仕方が無い。それよりもやはりコウタだったか。何をしたのかは知らんが、俺も手伝うぞ)」
コウタ「相良…おまえ、大丈夫か?」
ボン太くん「ふもふも(俺は素人ではない。スペシャリストだ)」
ロア(心配なさそうだ。彼はどうやら本物の戦士の波動を感じる。そして…彼女らも)
コウタ「…よし、だったら手を貸してもらうぜ!」
ボン太くん「ふも!」

こうして、炎の戦士と二人の魔法騎士、そして一人(?)の着ぐるみは、浅草の街を守るために戦いを挑む…


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