北米・某所…


そこは嘗て小さな集落があった場所であり、今は荒野と化している。そしてその集落のあった場所の先には、枯れた遺跡があった。

その遺跡の前に立ちすくむ一人の少女。



イルイと呼ばれたその少女は、鋼の悪魔達に追われ、追い詰められていた。

(いや……!)


そして、イェグヴェルの醜い眼光がイルイをとらえたその瞬間、その眼光から光が消えた。

次の瞬間、イェグヴェルはそのまま轟音を立てて倒れる。


呆然としたイルイはその周りを見渡してみると、追いかけていた鋼魔の機体は既に倒れていた。


その時、光が空から降りかかる。


思わず目を伏せるイルイは、手で光を遮ながらその光源を見つめた。


その視線の先には銀色に光り輝く翼を広げたロボットがいた。


(綺麗……)


しばし幻想的な光景に見とれたイルイの前に、そのロボットは静かに降り立ち、膝立ちで屈みこんだ。


そして、その胸から飛び降りてきたのは空色の髪の少年。

「君、大丈夫?」

「は、はい…」

「……何でここにいたのかは後で聞くよ。一緒に行く?」

「え……?」

「遠慮しなくてもいい。何しろ狭いコクピットの中に居続けるわけじゃないから」


そう言って少年の向けた視線の先には、異世界から飛び出してきた戦艦……エアリムの姿があった。


第3次スーパーロボット大戦GA -終わりなきプレリュード- 第2部…始動
(BGM:Angelic Symphony)

テスラ・ライヒ研究所…

現在は、対鋼魔組織の拠点の一つとしてその機能を果たしており、クスハ達スーパーロボットのパイロットたちもそこにいた。
"空が割れた日"から3ヶ月経ち、それぞれの場所で迎撃戦を繰り返している。

テスラ研にある戦力は甲児のマジンガーZにさやかのビューナスA、フォルカとフェルナンドの双子の修羅神。
ウッソ達に加え、テスラ研の直衛として月のマオ社から戻って来たイルムガルド・カザハラのグルンガストも加わっていた。


イルム「久しぶりだな、甲児」
甲児「イルム中尉もお久しぶりです。フューリア戦役依頼でしたかね」
イルム「もうそんなになるか…だが今はそれどころじゃないがな」
フォルカ「ああ。鋼魔は嘗ての俺達…アルカイド時代の修羅よりも規模が多い。ここまで長丁場になるとはな」
フェルナンド「首謀格がわかればいいが、何せ相手は空を割って現れた。一筋縄にはいかんだろう」

甲児「お〜フェルナンドが珍しくまともな事を」
フェルナンド「おい、それはどういう意味だ!」
甲児「わりぃわりぃ、そんなに怒るなって…」

イルム「そろそろギリアム少佐達を乗せたタウゼントフェスラーが調査から戻ってくるはずだ。
 報告だと、セント・クルスシティにも鋼魔が現れたそうだ」
さやか「セント・クルスシティ?」
イルム「フューリア戦役で俺達の支援者だったオーランド外務士官殿の息子さんが保護されたついでに、例の新型機を動かしたらしい」
甲児「新型ってあれですか?」
イルム「そ、例の秘密組織が作ったらしいあの蒼い機体だ」

ウッソ「でもそれって…その人も戦争に巻き込まれてしまったってことですよね」
甲児「あ、そうか…ウッソ達と同じ様になっちまったってことか…クソっ」
オデロ「カサレリアも鋼魔の襲撃にあったらしい」
トマーシュ「シャクティやマーベットさん達が無事だといいけど…」



その頃、テスラ研の外にある休憩所にて、クスハが一人たそがれていたところをブリットが見つけていた。


ブリット「クスハ…ここにいたのか」
クスハ「ブリット君…」

歩み寄るブリット。

ブリット「イルイの事を考えていたのか?」
クスハ「うん…あの時、何を言おうとしたのかをちゃんと聞けれたらと思うと…」
ブリット「……大丈夫だよクスハ。イルイは自分の意志をしっかりと持ってる。いなくなったのも何か理由があるはずだ」
クスハ「でも…龍虎王も虎龍王も、ガンエデンの戦いで完全に消えたから…」
ブリット「ガンエデンは最期にこう言った。この星の未来を託すと…超機人の操者である俺達だけじゃなく、アガートラームズ全員に対してだ。
 だから、もうガンエデンの意志は介入しないはず…」

その時、クスハがふと何かを感じ取る。

ブリット「どうした? クスハ」
クスハ「何? この感じ…不思議な念を感じる…」

テスラ研にけたましくサイレンが鳴り響く。

クスハ「警報…!」
ブリット「また出撃みたいだな。行くぞクスハ!」
クスハ「ええ!」

第26話
「翼、再び」

☆味方初期
轟龍・改(クスハ)
雷虎・改(ブリット)
グルンガスト(イルム)
マジンガーZ(甲児)
ビューナスA(さやか)
ヤルダバオト(フォルカ)
ビレフォール(フェルナンド)
Vダッシュガンダム(ウッソ、ハロ)
ホワイトアーク(オデロ、トマーシュ)


★敵戦力
鋼魔軍[スパルトィ×2]×10
鋼魔軍[シュタルテオ、イェグヴェル×2]×5


トマーシュ「敵はドール20、ティンダロス10、サテュロス5…いつもより数が多い」
イルム「暫く膠着状態だったからな。あちらさんもしびれを切らし始めたか?」

クスハ「これ以上、鋼魔達の好きにはさせません…行くわよ、轟龍!」
ブリット「雷虎、俺達も行くぞ!」



散発的に現れる鋼魔に、攻撃を仕掛けるクスハ達。

ウッソのVダッシュガンダムがシュタルテオの砲撃をかわす囮役となり、動きを止めている間にマジンガーZが正面から迎撃。
その両サイドから挟撃しようとするイェグヴェルを双子の修羅神が無双の如く捌き続ける。

そして、クスハとブリットの鋼機人がスパルトィに対して互角以上の戦いを繰り広げていた。

だが、空間転移で新たな戦力が現れる。

★敵増援
???[イエッツトクノッヘン×2]×4
???[イエッツトグリート×2]×4

ウッソ「あれはアインストもどき!」
甲児「とうとうここにも現れやがったか!」

さらに、周囲で破壊された町の残骸から避難している民間人を見つけたスパルトィ数機が狙いを定めてゆく。

クスハ「駄目、逃げて!」
ウッソ「この距離じゃ間に合わない!」

襲いかかろうとしたその時、幾筋もの光がその鋼魔達を貫いき、そして爆発。

その光の元をたどってみると、魔法陣らしきものを発していた光を消していく見た事のない戦艦がそこにいた。


エアリム「敵機撃墜確認」
ルナ・ルーン「エアリムはこのまま前進。中距離に入ってあのゴーレム…機動兵器達を援護するのです!」
エアリム「了解しました、プリンセス」

アルトディアス「悠吾殿、は…発進準備よろし!」
悠吾「了解ッ! リヴォウルト、発進!」

☆味方増援
エアリム(ルナ・ルーン、アルトディアス)
リヴォウルト・エンジェリアン(第2部)(悠吾)

悠吾「甲児! ウッソ! 大丈夫か!」
甲児「その声…声変わりしてるけど…」
ウッソ「悠吾さん!?」
悠吾「ああ、久しぶりだね…というか、心配掛けてゴメン。今はこのように元気いっぱいだからさ!」
フォルカ「しかし、ファルガイアにいたのでは?」
悠吾「説明は後、今はこの戦いに参加するよ。あの船の事もね」
そう言ってリヴォウルトの顔をエアリムに向ける。
イルム「戦艦のおまけつきで復帰とは…これは大きなチャンスかもしれねぇな」

悠吾「漸く戻ってこれた…もう一度、とびだって見せる!」


3ヶ月ぶりに復活した悠吾とリヴォウルト、そして突如現れた謎の戦艦の協力により、アインストもどきと鋼魔の撃退に成功した。



戦闘終了と同時に、セントクルスシティに赴いた人たちが合流する。

☆味方登場
イクスブラウ(バレル、フェイ)
ゲシュペンスト・タイプRV(ギリアム)
ベルゼルート・ブリガンティ(カルヴィナ、カティア)
ラフトクランズ(アル=ヴァン)
エスメラルダ・マキシ(ヤヨイ、リュウヤ)


ギリアム「どうやら戦闘が終わったようだな」
ヤヨイ「あれは…リヴォウルト…!」
リュウヤ「ってことは、悠吾なのか?」

悠吾「ヤヨイ、リュウヤも久しぶり」
リュウヤ「おい悠吾! 今までどこほっつき歩いてた!」
悠吾「だからそれは追々話すから…今はあのエアリムをテスラ研に案内してほしいんだけど」

カルヴィナ「エアリム? あの戦艦の事?」
エアリム「その通りで御座います」

突如声が発せられ、びっくりする一同。

エアリム「私はエアリム、この船の中枢であり、この船そのものです」

悠吾「クルーも一応いるんだけど、その紹介もテスラ研でやるから」


(MAPクリア)


北米コロラド州 テスラ・ライヒ研究所…

ロブ「しっかし、これまた見事な戦艦だな…どこの所属だ?」
イルム「悠吾の話によると、また異世界らしいですよ」
ロブ「異世界ねぇ…マサキ達のラ・ギアスや光達のセフィーロのほかにもあるぐらいじゃ驚かないけどね…」

戦艦用ドックに辛うじて入ったエアリム。
その出入り口にタラップが敷かれ、その下にはテスラ研代表としてジョナサン・カザハラ博士がいた。

そして、その扉を開けると…現れたのは緑色の髪と尖った耳、そして紅い瞳を持つ女神の如く気品のある女性が降りてくる。
それと同時に彼女を護るようについてくる金髪碧眼の美男子とその後ろをついてくるように降りてきた…

クスハ「イルイちゃん!?」
イルイ「クスハ…」

クスハは直ぐにイルイの元に駆け寄って抱きしめる。

クスハ「どこに行ってたの…ずっと心配してたのよ…」
イルイ「…ごめんなさい」
クスハ「いいの…イルイちゃんが無事だっただけでも十分だから…もう、どこにも行ったりしないでね?」
イルイ「…うん」

甲児「よかったな…クスハ」

ルナ・ルーン「はじめまして…私は異世界エルフボレアの王女、ルナ・ルーンと申すものです」
ジョナサン「これはご丁寧に…テスラ・ライヒ研究所の所長を務めております、ジョナサン・カザハラと申します」
ルナ・ルーン「まずは私たちとエアリムを受け入れてくれたことに感謝いたします」
ジョナサン「どうかお気になさらず。こちらとしては身内二人を救ってくれた御礼としても足りないぐらいです」

イルム(流石の親父も、手を出そうとはしないな…どうやら本物の王女様ってことは間違いなさそうだ)

ジョナサン「ところで…これからどうするおつもりですか?」
ルナ・ルーン「…私達は彼…悠吾さんの力になるためにエアリムと共にこの世界へ来ました。
 よろしければ、私達とエアリムを戦列に加えていただきたいと存じます」

よどみなく発する言葉に騒然とするテスラ研。

ジョナサン「…わかりました。でしたら、こちらも最大限のサポートはさせていただきますよ」
ルナ・ルーン「感謝いたします…!」

ロブ「これなら、反撃のチャンスになるかもしれないな…これから忙しくなるぞ…!」


その後、暫くして…テスラ研、ブレイクルーム。

甲児「そうか…そんなことが」
悠吾「うん。エルフボレアに飛ばされてる間に記憶を亡くしちゃって、ルナ・ルーン達に恩返しをする日々だった」
カティア「ファンタジーな異世界に住む"本物の"エルフのお姫様かぁ…ロマンチックじゃない!」
カルヴィナ「そう言えば、カティアはアニゲー好きだったわね」
バレル「エルフって本当にいたんだね…」
カティア「ねぇねぇ、魔法とか使えるのかな?」
???「勿論使えますわ」
聞きなれぬ声に一同が振り向くと、当のルナ・ルーン本人がいた。

ルナ・ルーン「無理に畏まらなくてもいいですよ。公の場以外では皆さんと同じ様にしていきたいのが本心ですから」
カルヴィナ「は、はぁ…」
カティア「あ、あの…魔法、どうんなのが使えるんですか?」

ルナ・ルーン「そうですねぇ…基本的な魔法は一通りですが…変身魔法が得意ですね」
カティア「変身……?」
ルナ・ルーン「服装やヘアスタイルを自在に変えることができるんですよ。たとえば…」

そう言ってルナ・ルーンは目を閉じると足元に魔法陣を浮かび上がらせ、光の粒子が湧き出てくる。
その光がルナ・ルーンを包み込み、それがはじけた瞬間…そこにいたのはカティアと全く同じ服とヘアスタイルをしたルナ・ルーンがいた。
カティア「うわぁ…すごいですね!」
ルナ・ルーン「こうして、衣装替えをするのが私のちょっとした楽しみなんですよ」
カティア「え、そうなんですか? でしたら、私の知ってる範囲でいろんな衣装を見せてほしいな〜と」
ルナ・ルーン「勿論、よろしいですよ」

甲児(なぁ…つまりコスプレが趣味なのか?)
ブリット(多分…あとアニメとかに興味持ってそうだな…)

若干中の人(?)が洩れてるブリット。

悠吾「あれ? ルナ・ルーン、アルトディアスは?」
ルナ・ルーン「彼でしたら、少々変わったお方に話しかけられていましたね。たしか、サムライっぽい服を着た老人の方だったような…」
ブリット「ああ…リシュウ先生ですね。あの人は示現流という剣の達人なんですよ……そのアルトディアスさんってひとは剣の腕も立つんですか?」
ルナ・ルーン「ええ。エルフボレアでも精鋭である近衛騎士の若き長を務めておりますから」



アルトディアス「ハァッ!!」

気合いと共に藁の束を愛用の剣で一閃するアルトディアス。
ほどなくして藁の束は真っ二つに斬り裂かれる。

リシュウ「ほう…異世界の剣技もなかなか…」
アルトディアス「お褒めに預かり光栄です。貴公の話はこの世界に来てから悠吾殿に時々お聞きいたしましたから」
リシュウ「主の剣は護る為の剣を良しとするモノ…心構えは良い。だが、動きは少々甘いところがあるのう」
アルトディアス「はぁ…そうでしょうか?」
リシュウ「ま、そこは世界が違うということにしておこう。わざわざ付き合ってくれてすまんの」
アルトディアス「こちらこそ、ご指導感謝いたします」

世界は違えど、剣を志す者同士……色々と通じ合うものがあったらしい。


ともあれ、テスラ研に戻って来た悠吾、新たに仲間となったルナ・ルーンとエアリム。
これにより、ISAの機能を持つことができるようになった為、独立部隊として動くことができるようになったのだ。

今、反撃の狼煙が上がり始める。

▽オマケ…鋼魔軍雑魚敵紹介その2
シュタルテオ
鋼魔軍の主力機の一つ。
イェグヴェルとは逆に遠距離戦に長けた機体。
高火力・重装甲に関わらず機動力もスパルトイに追従できるほど。
地球側のコードネームはMDX−03"サテュロス"


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