第4話「ミルフィーの想い」

一晩の安静の後、漸く腰の調子が戻ったタクト。
早速ミルフィーにお礼を言いにいこうとした矢先、ちとせからブリッジで会議をしたいとのこと。
やむを得ず、タクトはブリッジに向かう。

今回の会議は前話で浮上した謎の声の調査の中間報告である。ちとせ達にも既に例の声を聞かせいるので、
ちとせは例の声の解析を担当する様になった。
情報処理に関しては本人もそれなりに自信があるためである。
(というよりも、在学中にも軍の情報部にスカウトされるほどの実力を持っている)
例の声の解析がそれなりに進んだようで、その結果を見せてくれたのだった。
流石に一部のフレーズが分からずじまいではあるが、かなり時間のかかるデータ解析を
ちとせは僅か短時間でかなりの解析を終えているのであった。

解析判明したメッセージの一端は、
「EDENの子ら」、「我らに残された時間は少ない」、「使命を果たせ」
これが現時点で判明されたいる。

キョウスケ「『EDENの子ら』と言うのは、おそらくタクト司令達トランスバールの人々のことを指すのだろう」
ちとせ「おそらく…トランスバール皇国は、EDEN文明の崩壊後に、その文明圏の中で生まれた国家ですから。
 ですが、重要と思われている言葉のいくつかはまだ分からなくて……。
 せめて、この時代の言葉の手がかりになる何かサンプルがあれば」
カナード「サンプル……フォルテさん。エルシオールは確か、辺境調査任務の途中で強奪船団の任務にまわされたんだよな。
 調査の間にロストテクノロジーはあったのか?」
フォルテ「いや、ガラクタばかりだよ。それが一体、どうしたって言うんだい?」
カナード「そのガラクタに残された文字か何かが、解析の手がかりになるんじゃないかって思ったんだが…」
ちとせ「成る程…!」
レスター「その手があったな。発掘したロストテクノロジーは倉庫にある。フォルテ、タクトとちとせを連れて行ってくれ」
フォルテ「了解」
タクト「それじゃ、行こうか」

その後、タクト達は格納庫でミルフィーを見かける。
ミルフィーはどうやら宇宙コンビニの手伝いをしているらしい。
タクト達はロストテクノロジーが保管されているコンテナを探しているのだが、ミルフィーも手伝う事に。
早速ミルフィーが手近なコンテナを出そうとするが、上のコンテナが落ちてきてしまう。
つぶされずには済んだが、肘と膝をすりむいてしまった。だが、それでも手伝わせてほしいと躍起になるミルフィー。
何とか説得してミルフィーは戻ったのだが、意気地になっているミルフィーにフォルテとタクトは心配する。
その直後、ちとせがロストテクノロジーを収容したコンテナを発見した。
やはり中身はガラクタばかりだが、それに残されていた文字や音声の照らし合わせをすれば、
声の解析が出来るかもしれない。早速ちとせは解析の続きを行う事にした。

その後、タクトはブリッジでレスターに報告。
ついでにミルフィーが来て無いかをたずねるが、会議中に1回お邪魔したきりとのこと。
アルモとココにアツいねとおだてられるタクト。
さらにはキスの話も出てきたのだが、タクトとミルフィーはまだ1回もキスはしていないと言う。
そのため、アルモとココはキスの仕方の話で盛り上がるがレスターは「下らんな」と一蹴。
んが、タクトはとんでもない冗談を口にする。
タクト「まあまあ、アルモ。レスターは人妻好きだからそういうのは興味ないんだ」
アルモ「ええええっ!?」
レスター「おいこら、タクト! なんだ、人妻好きってッ!!」
その後、タクトは自分が蒔いた種でヘンな方向で大騒ぎになりつつあるブリッジをそくくさと抜け出した。

ちなみにクロノドライヴに備えて、エルシオールと連結終了の報告を入れようとしたアークエンジェルのブリッジにも、
この騒ぎは筒抜けだったらしい……
ナタル「全く……なんて型破りな人だ…」
マリュー「でも、あの人当たりの良さがマイヤーズ大佐の一番の長所かもしれないわね」
メイリン「かも…ですね(お姉ちゃんも大変だったのね……)」

その後、司令室でタクトはミルフィーの書いたメモを見つける。
湿布薬と、それに関するアドバイスが記されていた。だが追記には「私、がんばりますから!」と記されている。
どんな意味なのかを知るためにも、タクトはミルフィーを探しにいった。
クロノドライヴが終わるまでの間、ミルフィーはいたる所で色々とやっていた。

先ずキョウスケが、フォルテにいきなり45口径の拳銃をを撃つ練習を頼んでいる彼女を見た。
その後にシンが、今度はミルフィーがトレーニングルームでサンドバックに打ちこんでいる姿を。
また、エクセレンはティーラウンジでちとせの想像しているのを当てようとしているミルフィーを見かけた。

そして、タクトはコンビニでミルフィーを見かける。
抽選を当てているところをタクトに見せようとしていたのだが、店員から無理してやったという事がすぐにバレた。
あまりにもミルフィーらしくないとタクトは言う。
悩みがあったら相談してくれとタクトは言うが、ミルフィーはとにかくがんばると言いつつ去って行った。
その後、タクトはメカニックのクレータ班長に呼ばれた。
格納庫にて、タクトはクレータから驚くべきことを耳にする。
ミルフィーがいつでも出撃できるようにラッキースターの整備をしてほしいと言われて、それの報告をしたのだ。
タクトは当然そんな指示を出した覚えが無い。つまり、ミルフィーの独断によるものであった。
何故こんな事をするのかと思ったタクトは、今までのミルフィーの行動に理由に納得がいった。

紋章機は本来、パイロットのテンションによってクロノストリングエンジンのからパワーを引き出す。
ミルフィーの場合は強運がそれと関連しているのだが確固たる原因は不明のまま。
だが、基本的にはテンションが上がれば紋章機の操縦は可能のはず。
つまり、ミルフィーが強運に関係しない方法でテンションをあげようとすればもう一度ラッキースターを動かせるかもしれない。
そう考えた上での行動であったのだ。

タクトは、ミルフィーを呼び出して真剣に話し合うことにした。
ミルフィーは、紋章機に乗れるようになってエンジェル隊に復帰したいと思っている。
だが、タクトはそれを良しとしなかった。
まともに動かせない状態で出撃してもやられるだけ…それだけは絶対にしたくない。
それがタクトの想いだった。
タクト「これからは、俺が、ミルフィーの分までがんばるから。
 だからミルフィー、君は何もしなくていいんだ…」
ミルフィーユ「……っ! あたし、あたしは……!」
タクト「ミルフィー?」 ミルフィーユ「失礼します!」
そういってミルフィーは司令室を出て行った。その眸に涙を見せながら。

クロノドライヴ後、エルシオールの前方に未確認物体を確認。
現在偵察を行っているフォルテ達を見確認物体のあるところに向かわせるよう指示し様としたが、
通信妨害が発生してしまう。
未確認物体の偵察を誰に向かわせるか悩んでいた所、突如エルシオールの格納庫ゲートが開き、
ラッキースターが発進してしまった。
何が起こったのかクレータに通信を知れると、ミルフィーが隙を見てラッキースターに飛び乗ったらしい。
その時、未確認物体の移動が確認されたそしてスラスターの数等の照合により、
エオニア戦役で稼動していた浮遊衛星ザレムドだと判明。
マリュ「まさか、ラッキースターで偵察にいくつもり!」
ナタル「彼女が、何故こんな事を…!」
レスター「どうするタクト、エルシオールを進めて収容させるか?」
タクト「いや、エルシオールを危険に晒すわけにはいかない…クレータ班長、聞こえるか? 至急シャトルを用意してくれ!」
レスター「どうするつもりだ……おい、まさか!?」
タクト「俺が…ミルフィーを連れ戻す」
ナタル「何を言っているのです! 司令官のあなたが向かう必要があるのですか…!」
タクト「すまない。どうしても俺が行かなきゃならないんだ…頼む」
レスター「…やれやれ、エンジェル隊はお前の領分だったな。とっとといって来い」
タクト「すまないレスター…!」

シャトルで単独ラッキースターに向かうタクト。
通信妨害が激しく、エルシオール・アークエンジェル共に通信が入らない中、
肉眼で確認したラッキースターはかなり危なっかしい動きをしていた。なんとか機体を接触させ、直接通信が可能となる。
タクト「ミルフィー! 目の前に攻撃衛星がいる、直ぐにエルシオールに戻るんだ!」
ミルフィーユ「敵がいるのはわかっています! だから、あたしがやらなくちゃ!
 タクトさんこそ、先に帰ってください。ここは危険です!」
タクト「出来るわけ無いだろう! どうして勝手な事ばかりやるんだ! 頼む、戻ってくれ!」
ミルフィー「…嫌です!」
タクト「何で分かってくれないんだ! 君を危険な目に合わせたくは無いんだ!
 勝手な事しないで、言う事をきいて…」
ミルフィーユ「…あたしは、タクトさんのためにケーキを焼きたいんです!」
タクト「えっ!?」
ミルフィーユ「ケーキを焼いて、お茶を淹れて、タクトさんと一緒に過ごしていたい……。
 二人で笑って、タクトさんがケーキをおかわりして、それをあたしが振り分けて……。
 そうやって、普通に過ごしていたい……でも」
タクト「でも…?」
ミルフィーユ「でも今は戦争だから、二人で喋る事も、一緒にごはんを食べる事もできなくなって……。
 そばにいることもできなくなって……」
タクト「…………」
ミルフィーユ「早く平和が戻ってきてほしい。みんな、ニコニコ笑えるようになってほしい。
 タクトさんと、また遊園地にいって、お弁当を一緒に食べたい…。タクトさんに……笑ってほしい。
 あたしのこと、好きだって言ってほしい……。
 だから……だから……だからあたし、この戦いを終わらせたいんですッ!!
 そのために、何かしたいんです! タクトさんの、みんなの役に立ちたいです!
 だってあたしは…タクトさんのことが好きだから! ずっと一緒にいたいから!」
タクト「……すまなかった、ミルフィー」 ミルフィーユ「タクト…さん?」
タクト「ミルフィーを護りたいって気持ちは本当だ。
 でも、いつの間にか俺…君の気持ちが見えなくなっていた…いや、ちゃんと見ようとしなかった。
 ミルフィー、ほんとうにすまない…」 ミルフィーユ「タクトさん…」
タクト「一方的に護ったり、護られたりするのは、本当の『好き』なんかじゃない。
 お互いに守り合い、支えあうのが『好き』って事なんだ…だから。
 ミルフィー、俺には君が必要だ。一緒にいて、力を貸してくれ。
 一緒にケーキを食べて、一緒に笑って、たまには一緒にケンカして、
 そして……二人で一緒に、力を合わせて生きていこう。
 だって俺は…ミルフィーのことが好きだから。どんな時でも、ずっと二人…一緒だ」
ミルフィーユ「はいっ! あたしも好きです!
 タクトさんのこと、だいだいだ〜い好きですッ!!」
その時、突如通信が回復し、レスターがスクリーンに映った。
レスター「タクト! 攻撃衛星がミサイルを発射した! 逃げろ!」
フォルテ「タクト、ミルフィー! 今そっちにいくから辛抱しておくれ!」
ちとせ「で、でも、フォルテ先輩、間に合いそうにありません!」

タクト「ミルフィー! 逃げるんだ!」
ミルフィーユ「大丈夫です! 今のあたし…体中から暖かい力が溢れてきます!」
数十発ものミサイルが飛来する中、ミルフィーの心がラッキースターの力となる…
ミルフィーユ「ラッキースター、フィールド全開! いっけーー!」
ミルフィーはタクトのシャトルを庇い、先に飛来したミサイルを防ぎ、そしてハイパーキャノンで全てのミサイルをなぎ払った!
ミルフィーユ「あたし…あたし、ラッキースターを動かせるッ!!」
そう、強運とラッキースターがミルフィーの想いに応えてくれたのだ。
キョウスケ「マイヤーズ大佐! ミルフィーユ!」
エクセレン「よかった…無事だったのね!」
ミルフィーユ「キョウスケさん! エクセレンさん!」
フォルテ「まったく、冷や冷やさせるんじゃないよ! 寿命が縮むったらありゃしない…」
ミルフィーユ「す、すいませーん…」
シン「でも、本当にラッキースターを動かすなんて…すごい!」
ちとせ「みなさん、敵が接近してきます!」
Gコンボイ「追いかけてきたか…こちらから打って出るぞ!」
ミルフィーユ「皆さん、あたしも行きます!」
フォルテ「いけそうなのかい、ミルフィー?」
ミルフィーユ「はい! どうにもこうにも絶好調です!」
ルナマリア「久しぶりに、そのセリフを聞いたわね!」
フォルテ「どうするんだい、タクト」
タクト「勿論OKに決まってるさ。俺はエルシオールに戻って指揮をとる。ミルフィー、当てにしてるからね」
ミルフィーユ「はい、任せてください! バーンてやっちゃいますッ!!」
ブリッジに戻ったタクトはレスターから敵の情報を得る。
どうやら敵の防衛線といったところにエルシオール・アークエンジェルがいたらしく、
敵の戦力は想像以上のものであることが推測できるかのごとく、敵はかなりの数がいた。
だが、完全復活したミルフィーがいる。タクトはブリッジで言った。「俺はミルフィーを信じてる」と。

そして、戦闘開始直前に、ロム兄さんはこう決め台詞を残した。
ロム「一度は全てを賭して消え去った物でも、強き思いがある限り、必ずいつかは蘇る…。人、それを…『復活』という!」

☆味方初期
エルシオール(タクト、レスター、アルモ、ココ)、アークエンジェル(マリュー、ナタル、ノイマン、メイリン)
ラッキースター(翼展開)(ミルフィーユ)、ハッピートリガー(フォルテ)、シャープシューター(ちとせ)、
フォース・インパルスガンダム(シン)、ネストミール(ルナマリア)、ドレッドノートガンダム(カナード)、
グフイグナイテッド(ハイネ)、アルトアイゼン・リーゼ(キョウスケ)、ヴァイスリッター(エクセレン)、
ギャラクシーコンボイ、ライガージャック、ソニックボンバー、ケンリュウ(ロム)、ブルー・ジェット、ロッド・ドリル、
トリプル・ジム
★敵戦力
スパード級駆逐艦、バーメル級巡洋艦、ジゼル級装甲ミサイル艦、浮遊衛星ザレムド、
105ダガー、ゼカリア、ハバクク、メギロート、ヨエラ、エゼキエル

全力全開絶好調なミルフィーのラッキースターの活躍がかなりの範囲を占めつつ、敵陣の突破に成功。
各部隊もそれぞれ帰艦した(MAPクリア)

タクトは早速格納庫に向かう。そしてミルフィーを暖かく迎え入れた。
奇跡の大復活によってクルーも驚きを隠せない。
何故ミルフィーの強運が復活したのか、それは誰にも分からない。
だが、タクトを助けたいと言う強い想いがあればこそ、強運が復活したのかもしれない…。
何はともあれ紋章機を再び動かせるようになったため、エンジェル隊復帰も確定することに。
そんな中、フォルテはミルフィーの復帰パーティを行う事を提案。
勿論タクトはこれを承諾。ついでにアークエンジェルの人たちも誘うことに。
ちなみにパーティでは、強運復活の証明として10枚のコインをトスして全部表あるいは全部裏がでたり、
凶運が復活したためかミルフィーが焼こうとしていた取って置きのケーキが完成直前に爆発したり……。
(どう考えてもありえないことに一番絶句したのはナタルとシンだったそうだ)
ちとせ「ミルフィー先輩は本当に凄いです。パイロットとしてのみならず、料理の腕も一流。
 しかも慢心せず、日頃の訓練も怠らない。私も、見習わなければいけません」
エクセレン「ミルフィーちゃんを見習うねぇ……どうなんでしょ、タクト司令」
タクト「あ、あぁ…微妙かな」
ちとせ「決めました! 私、これからはミルフィー先輩のことを『お師匠さま』と呼ぶことにします!」
タクト「お、お師匠さまぁ!?」
シン「師匠か…いい響きかも」 ルナマリア「え…シン、今なんか言った?」 シン「いや、別に……」
ミルフィーユ「わーい! タクトさん、あたしお師匠さまになっちゃいました!」
タクト「いや、流石にそれは止めた方が…」
ミルフィーユ「ひどーい! あたしたちは宇宙最強のお師匠さんとお弟子さんになるんですから。ね〜、ちとせ!」
ちとせ「もちろんです。私、どこまでもお師匠さまについていきます!」
ハイネ「これは面白いな! エルシオールの名物がまたひとつ増えたって所だな」
カナード「ミルフィーとちとせ、これからが楽しみだな」
タクト「ミルフィー…俺はどんな事があっても大丈夫さ。ミルフィーがそばにいてくれる限りな」
ミルフィーユ「タクトさん…あたしを、ひとりにしないでくださいね」
タクト「ああ、約束するよ」
クレータ「いよっ! お二人さん、アツいねぇ!」
アルモ「もう、見せつけてくれちゃって! あ〜あ、いいなぁ」
ココ「それじゃあ、今から副司令を呼んできたら?」
アルモ「ダメよ、パーティは苦手だって。あ〜あ、いいなぁ。マイヤーズ司令とミルフィーユさんは幸せそうで」
タクト「いや、あはは・・・」 ミルフィーユ「そんな…」 ケーラ「今更照れても遅いわよ、ふたりとも」
ルナマリア「そうそう、どうせこの先も冷やかされるんだから、覚悟した方がいいわよ〜」
ちとせ「奇跡の力…おふたりの愛……私、感動しましたッ! 早速、日記に書きとめておきます!」
ミルフィーユ「え〜〜〜〜っ!!」 タクト「そ、それだけは勘弁してくれよ〜!」
その後も、パーティは盛り上がったそうだ。
(以下次回)


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