第17話「英雄と生贄」

地上からの強襲作戦で、ナナフシの撃破に成功した地上部隊。
しかし、マイクロブラックホール弾の直撃を受けたナデシコは、
相転移エンジンが大破してしまい、通常航行しか出来ない状態となった。
アスタンテUはかろうじてクラウドシステムが無事だったためこの世界のパーツの流用で何とかなるが、
ナデシコの修理はドックで行う必要がある。そのため、急遽サセボドックへ向かうことになった。

そして、サセボまでに向かう途中にFCE本部からの通達があった。
ナデシコ等の民間組織を一時的に正式に軍の所属として再編入されるように調整された。
それに伴い、ナデシコでは今後の作戦行動において適正が低いと考えられる人員の整理が行われたのだ。
そしてその結果、アキトが軍を除隊するよう通達が来たのであった。

サセボ、アスタンテU仮設ドック…
アシュレー「……」
リルカ「アシュレー。さっきからなに考えているの?」
アシュレー「ああ。何でアキト君だけが急に除隊なのかなと思ってさ」
リルカ「う〜ん…確かに軍人らしくないと言ったらあたし達もそれに入っているわよね」
マリアベル「それだけじゃなかろう。童から見ればむしろドラグナー隊の小僧らの方があってると思うがの」
カンジ「ケーン達が聞いたら怒りそうだが…たしかになぜテンカワだけなんだ?」
アル=ヴァン「可能性があるとすれば…」
ブラッド「いや、むしろそれしか可能性がないだろう。…テンカワが軍と言う組織ににいては都合が悪い場合だ」
カンジ「何か問題があるのか?」
カティア「結構いい人ですよね…」
カルヴィナ「いや、性格の問題じゃなくて…テンカワ・アキトが私達と違うものは?…と言うことよ」
リルカ「たしか……ユリカ艦長から聞いたけど、火星(マーズ)都市の生き残りと言う点かな?」
カティア「待ってリルカちゃん。イネスさんもその生き残りじゃないですか?」
アシュレー「火星都市…そうか、時間か!」
マリアベル「その通りじゃアシュレー。火星からファルガイアまでの距離とそれに相応した時間を考えてみよ。
 彼が火星にいたとするならば、時間が早すぎると言う矛盾が生じてしまうからの」
アシュレー「そして、火星を攻撃した木星蜥蜴は、ボソンジャンプという名のテレポートに似た技術を持っていた。
 つまり、アキト君がボソンジャンプで飛んできた可能性があるということだ」
ブラッド「そうだ。もしそれを調査するのに軍だと都合が悪い…と言う話なら納得がいく。
 軍が調べたいのであれば配置換えで済むからな。」
アシュレー「と言うことは…彼をやめさせたのは……ネルガル重工かッ!」
カルヴィナ「成る程。軍にとってもネルガルが全面協力する見返りとして、兵士一人を切って捨てるだけなら安いものね」
アーヴィング「アシュレー、聞こえるか」
アシュレー「あ、すまないアーヴィング。スパイまがいなことで調べさてもらって…」
アーヴィング「気にするな。後方の支援も私の役目だからな。結果は君の言うとおりだった。
 イネス・フレサンジュとプロスペクターがサセボ基地にいなかった」
ブラッド「成る程、全員ネルガルの関係者だな」
アシュレー「と言うことは…」
その時、警報が鳴り響く。
アシュレー「なんだ!」
リエ『全艦に通達! サセボ周辺に木星蜥蜴が出現! 至急迎撃に当たってください!』
アシュレー「木星蜥蜴! まさかナデシコをかぎつけて…!」
ブラッド「詮索は後だ。戦闘配置に移るぞ!」

リエ「よりによってこんなときに!」
リーアム「木星蜥蜴、広範囲に展開! 数からみて全ての迎撃が難しいかもしれません…」
アーヴィング『リエ艦長、レフィーナ艦長! 貴艦らはナデシコ周辺で直接護衛にあたってくれ』
レフィーナ「え? ですが、周辺の区間はどうすれば…」
アーヴィング『「我々が」行う。このヴァレリアシャトーでな…!』
艦長二人「ええっ!?」

オペレーター・ケイト「エマ・モーター、出力異常なし」
オペレーター・エイミー「各武装管制装置オールおっけー!」
操舵士・エルウィン「司令! 発進許可を!」
アーヴィング「うむ! ヴァレリアシャトー、発進!」
アーヴィングがそういうな否や、タウンメリアから程なく離れた丘の上に建っているヴァレリアシャトーが、
その地面ごと浮かび上がる。
そして、浮かび上がった地面は徐々に移動して翼の形となった。
アーヴィングはもしもの事態に備え、ロストテクノロジーを用いてヴァレリアシャトーを、
空中要塞として活用できるようにしていたのである。
そのために、わざわざアグエライト鉱石とゲルマトロン鉱石を採取するよう指示したのであった。
(第10話の任務)

ショーン「ほう…正にファンタジーな世界ですな。城が要塞と化すとは思いませんでしたよ」
アーヴィング「周辺区間の迎撃は我々が行う、艦長たちはナデシコの救援を!」
リエ「りょ、了解!」

☆味方初期
アスタンテU(リエ、ロンド、リーアム、プロフェッサー、樹里)、ヒリュウ改(レフィーナ、ショーン)、
ナデシコ(ルリ、メグミ、ミナト、ジュン)
ガイ[エステバリス・ガイ(ガイ)]
エステ3人組[エステバリス・リョーコ(リョーコ)、エステバリス・ヒカル(ヒカル)、エステバリス・イズミ(イズミ)]
選択18小隊

★敵戦力
チューリップ、カトンボ、バッタ、ジョロ、デビルエステバリス

ルリ「こちら、ナデシコのホシノ・ルリです」
アシュレー「あれ? ユリカ艦長は?」
ルリ「艦長は部屋に引きこもっています」
アシュレー「(……アキト君がいなくなるのが相当応えたのか)」
ユリカ「…ルリちゃんごめん、私はもう大丈夫だから」
ルリ「…わかりました」

ガイ「アキト…お前の分までがんばって見せるからな…!」
そういうな否や思わず突っ込んでいくガイ。
リョーコ「お、おい! 前に出すぎだぞ!」
ガイ「心配ねえ! おれがアイツの分までやらなえぇと…」
しかし、バッタが背部に回りこんで来た!
ガイ「げ、しまっ…」
???「させません!」
その時、背後に回りこんでいたバッタをワイヤードフィストで叩き落したのは…アキトの物とは異なるカラーのエステバリスだった。
ガイ「あ、あんたは…」
イツキ「私はカザマ・イツキといいます。このたび、ナデシコに新たに配属となったエステバリスのパイロットです。
 これより、ナデシコの指揮下に入ります!」
ユリカ「え? えっと…とりあえず分かりました! ヤマダさんのチームに入ってください」
ガイ「だから、ダイゴウジ・ガイだって!」
イツキ「ヤマダさ…ガイさん。私が合わせます…一緒に戦いましょう!」
ガイ「お、おう。(新たな仲間と新たなる戦い・・・か)」

☆味方増援
エステバリス・イツキ(イツキ)→ガイの小隊へ

ルリ「ナデシコ後方にボソン反応」
ユリカ「ええっ!?」
ミナト「や、やばくない!?」

★敵増援
マジン(人工AI)、テツジン(???→九十九)、木星蜥蜴

???(これがファルガイア人の戦力・・・!)
ヒカル「何あれ!? ゲキ・ガンガー!?」
ガイ「な、なんですとぉ!!」
突如、ボソンジャンプして別の場所に現れる2体の新型機。
ヒカル「え? 瞬間移動!?」
イネス「なんてこと…彼らは既に単機によるボソンジャンプ技術を確立していたなんて…」
エイジ「そいつはちと厄介だぜ…」

<九十九撃破>
九十九(ぐっ! 引き際を誤ったか! 機体の制御が! …なに!? 脱出装置が…作動しない!
 このままでは機体に閉じ込められる!?)
ルリ「敵木星トカゲ、機能停止しました」
イネス「それ、捕獲出来ないかしら。色々と調べてみたいわ」
ルリ「了解。戦闘終了後に回収します」

戦闘…リューン対マジンorテツジン
リューン「今までの木星蜥蜴とは違う…重力波砲を持つ人型兵器か。全く違うタイプと考えた方がよさそうだな」

◎マジンHP10%以下
ルリ「敵機のジェネレーター内部に異常な威圧を感知」
イネス「…最悪ね。あの機体、最初から自爆用にプログラミングされていたんだわ」
アシュレー「自爆だとッ!?」
イネス「あの機体…周囲の空間全体を相転移しようとしている。ま、サセボが消し飛ぶことは保障するわ」
琉菜「って、そんなもの保障されてもうれしくないッ!!」
ルリ「艦長。謹慎中のアキトさんが出撃しました」
ユリカ「アキト!? 何してるの?」
イネス「彼、CCを持って行ったわね」
ユリカ「CC?」
イネス「チューリップクリスタルの略よ。チューリップと同じ特性を持つ物質で、ボソンジャンプのトリガーにもなる…」
ユリカ「えええ!! …じゃ、アキトは!?」

エステバリスで、一気に自爆用のマジンに詰め寄るアキト機。
アキト「俺に出来ること…俺にしか出来ないこと…ホントにあるのか? 俺は何かになれるのか!?」
リョーコ「何考えてんだ! アキト、逃げろ!」
そしてアキトは、エステバリスに持たせたCCを投げつけ、マジンと共にボソンジャンプした……。

ルリ「…敵、消失」
ユリカ「アキト!? アキトはどこ?」
イネス「敵と一緒にボソンジャンプしたようね…ボソンジャンプに巻き込まれた人間は助からないわ、普通は…」
ユリカ「そんな……アキト! アキトーーーーーッ!!」
ガイ「バカやろう…最後の最後に英雄みたいなことしやがって…!」
ヒカル「ねぇ…アキト君どうなっちゃったの!」
イズミ「多分…もう、だめ…」
リョーコ「そんな…うそだろ…うそだと言ってくれよ!! アキトーーーーーーーッ!!」
(MAPクリア)


戦闘終了後、アシュレーは一人ナデシコのブリッジへ向かっていた。その中で一人思いにふける…。
(アシュレーの回想)
マリナ「判らないよ…アシュレーの言ってること……」
アシュレー「マリナ?」
マリナ「"英雄"になるって、そんなに嬉しいこと? そんなに疲れて、傷付いて……

"英雄"なんて――――人の力でどうにもならないことに捧げられる……"生贄"みたいなものじゃない―――

 感応石があるのに…傍にいるのに…アシュレー……心の距離が…どんどん遠くなっていくよ………」
(回想終了)
アシュレー(……今なら、マリナの言いたいことが何となく判る気がする…お、そろそろブリッジか)
 「失礼します」
ルリ「あ、アシュレーさん。今通信が入ったんです」
アシュレー「え、通信?」
アキト『…おいナデシコ、ナデシコ! …やっと通じた。早いとこ助けてくれよ。ギガノスから逃げるのにこっちは大変なんだ』
アシュレー「あ…あ、あ、アキト君ッ!?」
おもわず口をパクパクさせるアシュレー。
イネス「彼は跳んだのよ。…月にね」
(いろんな意味でシリアスぶち壊しな展開となって内心ショックなアシュレーであった)

ナデシコ 艦長室
ユリカ「う…うう…アキト…ううう…アキトォ…」
アキト「…ユリカ、泣いてんのか?」
ユリカ「うん…アキトがね…私を守るために…ユリカは俺が守る! …って」
アキト「…そんなこと言ったかなあ」
ユリカ「私の心には聞こえ…! アキ…ト? …オバケ?」
アキト「違うって!(即突っ込み)」
ユリカ「ほ、本物なの!? 今どこにいるのっ!?」
アキト「よくわかんないけど…月」
ユリカ「わかった、すぐ行くっ!」
アキト「バカ! 勝手に来られるわけないだろ」
ユリカ「大丈夫だよ。次の任務はタクトさんたちの救援だもん。月に行ってもおかしくないっ!」
アキト「そうか。…そうだ、それよりさ」
ユリカ「え…」
アキト「えと…」
ユリカ「うん…」
アキト「俺も…戦うよ。俺にしかできない何か…見つけたいんだ」
ユリカ「アキト…! そんなアキトが…大好き…!!」


アーヴィング「…というわけで、地上の方は我々がFCE正規軍を指揮して行うことになった。
 宇宙の方では、地球からの救援が来てくれたそうだが…まだ深刻な事態だそうだ」
レフィーナ「そうですか…」
アーヴィング「やつらとの決着をつけるためにも、彼らの力になってほしい」
リエ「分かりました。これよりヒリュウ改、アスタンテU、ナデシコの各艦は、
 エルシオール、ガンドール、アークエンジェルと合流するため、月に向かいます」
アーヴィング「それと、テンカワ君との合流もな」
リエ「あ…はい!」
アーヴィング「そういえば、さっきの戦いで捕獲した木星蜥蜴の新型機はどうしたのだ?」
レフィーナ「新型機はナデシコに格納しました。現在調査中とのことで、結果が出るのはもう少しかかるそうです」
アーヴィング「そうか…それでは、立て続けで悪いが、次の任務に赴いてほしい」
(以下次回)


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