最終話
「荒れた大地が広がるこの星にさえ
希望はまだ生まれ続ける」

惑星ファルガイア・衛星軌道上…

そこには、トランスバールからやってきた白き月が軌道上に浮かんでいた。
白き月の内部では、トランスバールの天使達、オーブの戦士達、
ファルガイアの渡り鳥達、そして、遥か彼方の星・地球からの勇者達が一様に集まっていた。

全部隊が合流してから連戦続きだったため、エルシオール・アマテラスと白き月からもたらされた情報…
ネフューリアの正体について話すことから始まった。
ちなみに、一度もヤツとの面識の無かったGGGのメンバー達も凱を始めた何人かが参加している。

勿論、ノアはかつての黒き月のコアから引っ張り出したデータから、
護の故郷である三重連太陽系…かつてEDENと同盟を結んでいた星系のことも話した。

果てしなき楽園EDENとそれを脅かしたヴァル・ファスク。
そして、全てを葬り去った時空震クロノ・クェイク。

悠久のときを越えて蘇ったヴァル・ファスクの尖兵ネフューリア。
彼女が作り上げた大いなる災い「オ・ガウブ」に対抗するために、
白き月は決戦兵器を作り上げていることを話す。

オ・ガウブのネガティブ・クロノ・フィールドに対抗できる策は既に上がっているので、
現在、白き月の持っている技術全てを活用して大急ぎで調整に当たっているとのこと。


このことについて、話を仕切っていたノアが釘をさす。
ノア「ただ…これはあのバカでかい戦艦を破壊するためだけに作られているから注意してね」
アシュレー「通常戦闘ではほとんど役に立たないと言うことか…」
ルフト「そこで、おぬしたちの出番というわけじゃ。おぬしたちでなんとしてでも決戦兵器を守ってほしい」
シャトヤーン「この切り札を守るために、ファルガイアの皆さんにも力をお貸しください」
ノア「そして、確実を期すためにそれをエルシオールに積んで敵のフィールドギリギリまで運んでもらうわ」
シン「ちょ…エルシオールで!?」
ルフト「そうじゃ。決戦兵器をエルシオールの下部にとりつけて到着と同時に射出する」
イツキ「さしずめ、私たちは決戦兵器のエスコート役というわけですわね」
ブラッド「エルシオールは2段ロケットの1段目と言うことか…」
アキト「でも、裏を返せばそれはエルシオールを…マイヤーズ司令達を危険にさらすと言うわけですね」
ガイ「だったら、俺たちがきっちり守ればいいってことだぜ!」
タクト「エルシオールを使うと言うことは、エルシオールで取り付ける必要があるほどのものという事ですよね……
 エルシオールからクロノ・ブレイク・キャノンが取りはずされたのはそれが理由だからですか?」
「…………」
タクトがクロノ・ブレイク・キャノンの話をした途端にルフト将軍を始め、シャトヤーンまで深刻そうな顔をしていた。

ルフト「その件は、後で改めて話そう」
ちとせ「ルフト将軍、お聞きしてもよろしいですか?」
ルフト「なんじゃ、ちとせ君」
ちとせ「現在の敵の位置と到着時間を教えてもらえませんか」
ルフト「うむ、それもそうじゃな。これを見てくれ」


そう言ってルフトは、大型ウィンドウを展開し、ファルガイアを中心とした星系図を示した。
ファルガイアからかなり離れたところに、紫色で布陣されているものがある。

ルフト「あの巨大艦を中心とする敵集団は、いくつかの星系の資源衛星やエネルギープラントを制圧しながら、
 ファルガイア星系に…この白き月に向かっておる。幸いに、木星の現在位置はその進行上にない」
ユリカ「良かった…木連の皆さんには手を出せ無さそうで…」
ルフト「ただ、2時間前に届いた観測結果を元に計算した到達予測時間は…およそ78時間後じゃ」
ちとせ「78時間……3日後と言うことですね」
ルフト「それまでに、各自準備を整えてくれ」

シヴァ「今回の作戦には、皇国と…いや、それぞれの世界の未来がかかっている…
 困難を極めるかもしれないが…宜しく頼む」
シャトヤーン「私からも、宜しくお願いします。あなた達だけが頼りなのです」
タクト「分かりました。シヴァ陛下、シャトヤーン様…」
ルフト「では、これにて解散とする」

こうして、タクト達は白き月を後にする。
その後、各司令達の計らいで1日だけ休息のときを得ることが出来たギャラクシィ・ユニオンズ。

それぞれの場所で、決戦への思いが語られる…

主に目立ったケースは以下の通りである。

アスタンテU…
最後の最後で漸く再開を果たしたカンジとルン。それをそっと見守るリエ達。
そして機体がかなり似通ってる事もあり、クラウディアに興味を持ち、いつか言ってみたいと思う光珠達だった。

また、ガンドールの格納庫の一箇所には、身体を動かすことで戦いへの思いをはせるものたちも多くいた。
主にグランナイツやゼンガーらにフォルカ、シャッフル同盟その他諸々…
むしろそっち方面のキャラが多いギャラクシィ・ユニオンズ。かなりの割合を占めているのかもしれない。

それとは逆に、地上に降ろしてもらって大切な人に会いに行く人も多く見られた。
アシュレーは、自分の家でもあるタウンメリアへ…マリナへ逢いに。
ブラッドは、かつて共に戦った仲間…ビリーと、数年前に自分を救った少女メリルへ逢いに。

また、オービットベースには、懸命の修理を経て蘇りつつある勇者ロボ達をはじめ、
聖勇者、マシンロボ、トランスフォーマーらが集い、それぞれの決意を語り合っていた。
また、シオン達もGGGとなにやら色々と話をしていた。
どうやら、元いた世界へ帰る方法への鍵がつかめるかもしれないと言うことらしい。
それが判明するのは、この戦いが終わった後だ。



地上・ヴァレリアシャトー地下ドック。
そこには、ネフューリアが操っていたアークエンジェル級戦艦「ドミニオン」が鎮座していた。
そのブリッジには、ナタル・バジルールをはじめ、ジャンク屋のメンバーも何人かいた。

そしてシャトー内医務室。
そこには、何もかも放棄している様な表情をしたシャニ、クロト、オルガがいた。そこにヤヨイとリュウヤが入ってきた。
時々二人を始め、シン達も様子を見に来ていたのだがあまりよろしくない状況である。
だが、ヤヨイは思い切ってこう話しかけた。

ヤヨイ「貴方達は同じなの…昔の私と」
オルガ「お前が?」
ヤヨイ「私は、フューリーの施設でほとんど強化人間と同じように実験台にされて生まれた人間なの…
 それ以前のことも全く無い、ただの兵器として…」
クロト「だ、だからって……だからって、なんだって言うのさ。昔のお前なんて、俺たちには関係ないじゃん」
ヤヨイ「自分を戦いのための道具と割り切っている貴方達は昔の私…戦えば戦うほど兵器に近づいていく……
 でも…それじゃ、絶対だめ…」
オルガ「ダメって言ったって 他にやりようなんかないんだ…」
ヤヨイ「そんなことは無い…! ただ気付くだけでいいの…自分は、人なんだって…」
クロト「なっ!? なんだよ、それ……?」
ゼロ「こんな生い立ちの人間でも、全うな幸せを持つことが出来る…
 私はリュウヤに…出逢えてそのことを知ったの。過去を失っても、新しく築いていけばいいって…
 お兄ちゃんになってもらえたリュウヤからそのことを教えられた…」
オルガ「お、俺たちも……か?」
クロト「おい、オルガ?」
リュウヤ「誰だってそうだぜ。人は幸せになる権利を持ってる」
クロト「け、けど俺たちはお前らみたいに想ってくれる相手なんか……」
ヤヨイ「……いなかったら、作ればいいと思う。私も、最初になってあげたいけど…いいかな?」
クロト「俺たちが……」
オルガ「そんな風に親身になって言われたの、初めてだ……兵器じゃなくて、人になる……か……なあ…!」
クロト「ま、試す分にはタダだしね」
シャニ「……ふん。甘ったるい話だけど……悪くないな、こういうのも」



次の日…決戦予定時刻まであと2日。
ミルフィーは、突然シャトヤーンから呼び出しを受けた。
そして、白き月の謁見の間に向かったのをタクトは知ったが、あまり深くは考えなかった。

その後、タクトは山積みになりかけていた書類を全て済まし、
そろそろ謁見が終わっているはずのミルフィーを探すことに。

まずは食堂に向かい、そこにいたフォルテやランファ、ちとせらに聞いてみたが、まだ帰って来てないと言う。
その後、ミントがやってきたので、タクトはミントに聞いてみた。

ミント「あら、ミルフィーさんなら先ほどすれ違いましたわ。ご自分のお部屋に戻られたようですけど…
 少し様子が変でしたわね…」
タクト「え? 変ってどういう事だい?」
ミント「私が挨拶をしても返事をなさらないで、そのまま通り過ぎて行ったんです。
 しかも廊下の角を曲がるとき、左右を間違えておでこを壁にぶつけていましたわ」
普段、ドジな所にミルフィーらしさを感じるところだが、
挨拶に返事をしなかったというのは確かに普通ではない。

その後、タクトはミルフィーの部屋に向かい、インターホンを鳴らすのだが、ミルフィーはいない様子。
そこにヴァニラがやってきて、タクトはたずねた。

ヴァニラ「ミルフィーさんでしたら、先ほどあって、宇宙コンビニの方へ行きました」
タクト「そうか…そういえば、ミルフィーの様子…変だと思わなかった?」
ヴァニラ「?…普通、だったと思います」
タクト「え、そうなのかい?」
ヴァニラ「はい。優しく微笑みながら、私の頭をなでてくれました。『ヴァニラって本当にいい子だよね』と……」
タクト「う〜ん…それはそれでちょっと様子が違う気が…」

その後、タクトは宇宙コンビニを訪ねるが、今度はエクセレンがいた。
エクセレンによると、ミルフィーはランファと一緒に買い物をしていたそうだ。
ミルフィーは今夜、夕飯をご馳走するとの事。
エクセレンは辞退しているが、タクトは出てほしいと伝えていくのだった。
だが、タクトは大きな違和感を隠し切れないでいた。

そして、18時。
ミルフィーの部屋で、タクトとエンジェル隊のメンバーによる夕食会が開かれることになった。
腕をふるって作られた料理はどれも絶品であるとはそれぞれの弁。
タクト達も素直にほめるが、ミルフィーの様子がおかしい。
そして、ランファがミルフィーにシャトヤーン様が呼んだ理由を聞こうとした。
その時…ミルフィーは意表を突かれた表情をとり、黙り込んでしまい…
ミルフィーユ「……あたし、ダメです…」
タクト「えっ?」
ミルフィーユ「あたし、どうしていいか分からない! 誰も選べるわけ無いもんッ!」
フォルテ「ど、どうしたんだい! ミルフィー…」
ちとせ「ミルフィー先輩、落ち着いてください!」
タクト「どうしたんだ!? しっかりしろ、ミルフィーッ!」
ミルフィーユ「タクトさん…あたし…」
何かに悲しむような感情を見せながら、ミルフィーはそのまま倒れてしまう……


倒れたミルフィーを運んで…4時間が経過しようとしている22時のエルシオール。
医務室の前にはギャラクシィ・ユニオンズのメンバーで特に親しかった者も待っていた。
(メンバー…エンジェル隊、タクト、リュウセイ、光珠、統夜、テニア、リューン、ラルミィ)
あまりにも静過ぎる夜のエルシオールが待つ者達の不安を掻き立てる。
そして、ヴァニラが医務室から出てきた。

ミルフィーが倒れた原因は、極度の精神的緊張…極限なまでのストレスによるものだった。
なぜこれほどまでになってしまった理由…思い当たる節は一つしかない。
タクトは、それを確かめるために…ミルフィーの為に白き月へ向かうことになる。
さらに、リューンもそれに同行することになった。

そして白き月。
タクトとリューンは、シャトヤーン達との謁見を果たし、そして尋ねる。

タクト「ミルフィーのことでお話があって参りました。実は先ほど…ミルフィーが倒れました」
シャトヤーン「えっ!?」
リューン「原因は極度の精神的緊張…所謂ストレスです。
 シャトヤーン様に呼び出されてから、彼女の様子が一変しました…」
タクト「教えてください。一体何があったんですか…ミルフィーにどんな話をしたんですか?」
ルフト「うむ…それがの……」
シヴァ「……その…」
タクト「ルフト将軍? シヴァ様?」
ノア「まったく…見ていられないからあたしから話すわ。話っていうのは他でもない…決戦兵器のことよ。
 アレはね、7番目の紋章機に、フィールドキャンセラーとクロノ・ブレイク・キャノンを取り付けたものなの」

ノアが言うには、ネガティブ・クロノ・フィールドを打ち破るには、それに対抗しうる膨大なエネルギーを要する。
それを確保する方法は唯一、紋章機のH.A.L.O.システムのみである。

紋章機を用いると言う言葉で、タクトらは真意に気づき、愕然とする。

決戦兵器は有人機…しかもテンションが最も上がる人物であるミルフィーに乗ってほしいと、ノアから頼まれたのだ。

タクト「待ってください!! どうして、ミルフィーなんですか!?」
ルフト「現時点でもっともテンションが高いのは彼女だからじゃ。
 それは実際に指揮をとっているお前がよく知っていることだろう」
ノア「他のパイロットでもいいの? そしたら成功確率は極端に下がるわよ」
タクト「ぐ……」
ルフト「タクト…わしらは負けるわけには行かんのじゃ……」
タクト「…無礼を承知で申し上げます!! それでは彼女にすべてを押し付けるものになります!!
 これでは、パイロットを犠牲にするだけではありませんかッ!」
シヴァ「マイヤーズ、落ち着け!」
タクト「作戦の変更をお願いします!!今なら他にも手段が…!」
シヴァ「他の手段があるなら取っている!!」
タクト「…ッ!!」
シヴァ「愛する者を危険にさらさなくてはいけない…それは私にもわかる。許せ、マイヤーズ。
 私はトランスバールの王としての責務を果たさなければならないのだ…」
ルフト「…ミルフィーユ君は承諾してくれた」
シャトヤーン「それと、もう一つ……。ミルフィーユには、つらい選択を迫ることになってしまいました」
タクト「もう一つ?」
シャトヤーン「パイロットのテンションを最高の状態に導くために、
 サポート役が傍についていた方が望ましいということになったのです」
ノア「何分急ごしらえな上に、いろいろゴテゴテくっついちゃったからねぇ」
シャトヤーン「サポート役は、パイロットのテンションを最高の状態に導ける相手であれば、より理想的です」
タクト「その相手は誰なんですかッ!?」
シャトヤーン「その選択は……パイロット自身に委ねました」
タクト「そんな…最も危険な場所に連れて行く人を…しかも、自分が大切に思う仲間から選べとッ!?
 そんなの、選べるはず無いじゃないですかッ!」
沈黙するシャトヤーン。
タクト「きっとミルフィーは……誰も選べません」
ノア「でも、選ばなくちゃいけないわ。パイロットのテンションを、最高の状態に導くための触媒となる人間をね」
リューン「…それでも…多くの人はそれを望まないでしょう。
 ファルガイアやトランスバールを守るというのは、単に人の命を守るということではない。
 そこに息づく人々の心や文化、それら全てを守るということ。
 ミルフィーが…彼女らが犠牲になることで、ネフューリアには勝てるかもしれない…
 しかし、それはファルガイアやトランスバールの上で長い時をかけて、
 多くの犠牲を払って人間が学んできた心と言うものが、血に飢えた本能に負けたのを認めることになる。
 人間が、理性と心を持つ生物ではなく、殺し合いで相手を倒すためには、平気で仲間を見殺しにする…
 ヴァル・ファスクと同じ忌まわしき生物であると言うことを、自分達で認めることになる…ッ!」
ノア「じゃあ、他に方法はあるの?」
リューン「確かに今はこれしか方法が無い…だが、彼女に全てを背負わせない様にする事なら出来るッ!」
その言葉に、ノアもさすがに意表を突かれた。そして、タクトもあることに気づく。
タクト「……ノア、一つ聞いていいかい? そのサポート役って、パイロットである必要があるのか?」
ルフト「何を言っておる、それは…」
ノア「…パイロット以外でもかまわないわよ」
シャトヤーン「ノア?」
ノア「要は、パイロットのテンションを最高の状態に導きさえすればいいの」
その言葉を待っていたかのようにタクトは確信する。
そして、リューンもタクトの意図に気付き、あえてこれ以上の抗議はしなかった。
タクト「わかった、ありがとう。みなさん、お騒がせしました。失礼します」
シャトヤーン「お待ちください、マイヤーズ司令……申し訳、ありませんでした」
タクト「えっ?」
シャトヤーン「ミルフィーユにも、そして貴方にも、辛い思いをさせてしまいました。
 時折、私はなんてひどい女なのだろうと思います。自分の力では何も出来ず、
 白き月の中で、エンジェル隊達に守られているだけ……彼女達は私の為に命を掛けて戦ってくれていると言うのに…
 私は、何も報いることが出来ない……いっそ、私などいなければ良かったのかもしれません」
シヴァ「は…シャトヤーン様!?」
リューン「それは違います。シャトヤーン様…少し前に、エンジェル隊の皆が白き月へ向かったときを思い出して、
 こういいました「帰ってきた」と」
シャトヤーン「帰ってきた……」
タクト「…彼女達にとって、この白き月は第2の故郷とも言えるものなんです。
 そして、シャトヤーン様は、彼女達の帰る場所、故郷を守る母なるお方。正に、『白き月の聖母』なのです」
シャトヤーン「マイヤーズ司令…リューレイスさん…」
リューン「…『自分の母を愛さぬものがどこにいますか? いつも笑顔で暖かく迎えてくれる者を…
 大切な人を憎めるものがおりましょうか?』…ファルガイアにいる最高の親友である彼なら…
 アシュレーだったら、きっとそう言うでしょう」
タクト「リューンの言うとおりです。皆、シャトヤーン様を母のように慕っております。
 そうですよね? シヴァ様」
シヴァ「マイヤーズ……そなたらの言うとおりだ。シャトヤーン様、マイヤーズらの言うとおりです。
 みな、シャトヤーン様のことをお慕い申しております。実の、母のように……」
シャトヤーン「シヴァ……陛下…」
タクト「ですから、「いなければよかった」などと、悲しいことは言わないでください。
 きっとミルフィーも、そんな言葉は望んでいません。
 ミルフィーが望んでいるのは…シャトヤーン様の心からの笑顔なのですから」
シャトヤーン「…マイヤーズ司令。こんなことを言えた義理はありませんが…
 あの子を…ミルフィーユをお願いします。どうか守ってあげてください」
タクト「はい。ミルフィーは絶対に、俺が守ります。だから、後は俺に任せてください」
リューン「それでは、失礼します…」
そう言って、タクトとリューンは白き月を後にし、エルシオールでミントたちと合流した。
その後、タクトはミルフィーの傍にいるという話になり、そのまま解散となった。
タクトが医務室に入る直前リューンはこう告げた。
リューン「タクト司令…貴方達に全てを背負わせはしない…これは、絶対に絶対だ…」
タクト「…ああ、わかった…」

そして、医務室の中で…
タクトはミルフィーとの思い出をめぐらせる。そして彼女がつぶやいた一言…「タクトさんと一緒にいたい」。
それが、タクトの想いに確固たるモノを築かせた…そして、思いを打ち明け、
二人は誓い合うかのように、初めての口付けを交わす……


エルシオールから一旦帰路につく中、リューンは決心する。
リューン(絶対に死なせない…彼女も…タクト司令も…!)



次の日…決戦予定時刻まであと1日。
白き月に突如招集がかかり、ギャラクシィ・ユニオンズのメンバーは再び集合した。
話す内容は、決戦兵器での要の部分…7番目の紋章機のことである。
言うまでも無く、内容に驚愕するメンバー達、そして、そのパイロットはミルフィーであることに。
そしてミルフィーが選んだサポート役は……
ミルフィーユ「タクトさんですッ!」
シヴァ「ま、マイヤーズだと!?」
ルフト「なんと、本気か!?」
ミルフィーユ「はい。タクトさんと一緒なら、どんなことがあっても大丈夫です」
タクト「…司令官という立場を逸脱した行為であることは、重々承知しています。
 ですが、成功確率を考えると俺が一番です。ルフト将軍、シヴァ陛下。
 皇国やファルガイア…そしてみんなの為に、俺に行かせてください」
シヴァ「しかし…」
リューン「誰も、タクト司令たちだけで行くとは言ってない…!」
ランファ「リューン…?」
リューン「彼女らだけに行かせるのではなく、全員で行くッ!
 要はフィールドさえ破れば、俺たちでトドメを撃つことはできるはずだッ!」
タクト「リューン…!」
大河「GGGからも、オ・ガウブが持つもう一つの戦術に対する対抗策が完成した。
 対ネガティヴ・クロノ・ウェーブ用広範囲拡散型に調整を施した弾丸X…名づけて『ファンタズム・ハート』だ」
凱「スタンバイ状態でも、オービットベースを中心にファルガイアの全起動上に効果が及ぶ…
 これさえあれば、いきなり動けなくなったりはしないはずだ」
ノア「さすがね…」
ルフト「…わかった。決めたからには、勝って来い、タクト。そして、必ず帰ってくるんじゃぞ」
こうして、サポート役も決まり、作戦名と決戦兵器の名前をつけることになった。
作戦名はファルガイア代表としてアシュレーが。決戦兵器の名前はミルフィーが名づけた。

作戦名は「オペレーション・ゼファー」。

決戦兵器の名前は「エンジェル・スラップ」。

ゼファーは西風を意味し、『希望』を司る貴種守護獣の名であり、
エンジェル・スラップは『天使のビンタ』を意味する言葉である。
まさに、ファルガイアとエンジェル隊らしい名前とも言えるもので、ギャラクシィ・ユニオンズ全員も快諾したのであった。
シヴァ「よし、皇国の未来…そしてファルガイアの未来、そなたたちに託す。頼んだぞ」
タクト「はっ!」
ミルフィーユ「はい! 任せてください!」

その直後、レスターから緊急通信が入った。
ネフューリアが率いる無人艦隊が、ファルガイアの防衛圏に進入し始めたとの報告が入ったのである。
予定より早い到達になったため、決戦兵器の準備がまだで来ていない。
あと2時間で、最終調整が終わるとのこと。そのため、後はエルシオールに移送して済ますことに決定。
ギャラクシィ・ユニオンズは、ネフューリアとの最終決戦に臨むことになる。

まずは前哨戦。
といっても、かなりの数が現れているのは明白。
ミルフィーもラッキースターに乗って戦線に出ることになった。

☆味方初期
母艦選択×4
選択24小隊

★敵戦力…ヴァル・ファスク
[レグス・ジオ戦艦、ガンジャール、ドナ・リュンピー]×4
[ラムス・ジオ突撃艦、リュンピー×2]×8
[ヴォルレント、リグ・ゼオ戦闘機×3]×8

★敵増援
[レグス・ジオ戦艦、ガンジャール、ドナ・リュンピー]×4
[ヴォルレント、リグ・ゼオ戦闘機×3]×4
[ラムス・ジオ突撃艦、リュンピー×2]×4


アルモ「敵の全滅を確認。周囲に敵影ありません」
タクト「今のうちに紋章機の補給と整備をしてくれ! 決戦兵器の準備は!?」
クレータ「機体そのものの調整はほぼ完了しました。あとはH・E・L・Oの調整になります」
タクト「そうか、ミルフィー。聞いてのとおりだからエルシオールに戻ってきてくれ」

タクトに言われミルフィーは戦線から離脱した。
途中、敵の第二波が接近し、ネフューリアからエルシオールへと通信が入る。
ネフューリア「がんばっているようね。まぁ、少しは楽しませてもらわないと。
タクト「ネフューリアッ!」
ネフューリア「それで、新しいオモチャの準備は整ったのかしら?」
タクト「オモチャなんかじゃないさ」
ネフューリア「へぇ? では、一体なんだというの?」
タクト「これは俺たちの…いや、人類の希望だ」
ネフューリア「……気にいらないわね、その瞳。反抗し、決して屈服しないでいるつもりでいる者の目。
 自分たちが搾取され支配されるべき存在であることなど、まるで認識していない…とても不愉快だわ」
タクト「そりゃよかった。俺は、お前の不愉快な顔が見られただけでとても嬉しいよ」
ネフューリア「………ッ!」
ラルミィ「我らは貴様を楽しませるために存在しているのではない…まして、支配されるためでもないッ!」
リューン「俺たちは、生きるために存在しているんだ…誰の指図を受けることなく、
 自分の意思で生きるために…相手がたとえ心無き神々であろうと、それは変わらん!」
タクト「自分で自分の人生を選んで、迷ったり、笑ったり、怒ったり…人を愛しながら生きていく。
 そのために存在しているんだ」
ミルフィーユ「タクトさん……」
タクト「だから、俺たちはお前の脅しには屈しないッ! 何があろうともッ!!」

ネフューリア「…口だけでは達者のようね。でも、力なき物がいくらわめいたところで、どうにもならないわ」
ココ「レーダーに反応! 敵影、数は数万隻…! オ・ガウブのと本艦の間に、巨大な機動兵器を確認!」
ネフューリア「ふふふ……貴方達の持っていた衛星の資源から作り出したものよ。
 このフューリーの機動兵器も…新たに生み出した防衛機ミュルメクサも…そして、このオ・ガウブも、
 黒き月の力で作り出したもの。自らを守るため、自ら生み出したものに殺される……。
 なんて素敵なショーなのかしら…」
ラルミィ「何とでも言うがいい…トランスバールの天使たちが、最果ての星…地球からの勇者たちが、
 そして、我らファルガイアの剣が貴様のような者共の好きにはさせないッ!」
ネフューリア「それじゃ、じっくり楽しませてもらうわ。ふふふふ…!!」
アルモ「通信、切れました…」
レスター「敵さん、自信満々ってところだな」
タクト「なら、ファルガイアから生まれた希望の西風に乗って突っ込んで、思いっきりビンタをくれてやるさ」

アルモ「マイヤーズ司令、格納庫より通信です!」
ミルフィーユ「タクトさん、ただいま、戻りました!」
タクト「分かった。レスター…指揮は任せる!」
レスター「ああ。皆、これからオペレーション・ゼファーの最終フェイズに移行する。
 この作戦の目的は、エルシオールをオ・ガウブから距離10000までのラインに移動させることだ。
 到達後、そこからエンジェル・スラップを発進させる。そして、そのエンジェル・スラップの護衛も任務だ」
レフィーナ「そして、その作戦を成功させるのに重要なのは…あの護衛機です!」
ユリカ「あの機体さえやっつければ、実質上突破したも同然になります…徹底的にやっちゃいましょう!」
レスター「そういうことだ。それじゃあ…」
タクト「あ、待ってくれレスター」
レスター「ん?」
タクト「皆聞いてくれ。もう一つ重大な任務をだす。まずはミルフィー」
ミルフィーユ「はい、なんですか?」
タクト「祝勝会には、特大のケーキを頼む。ケーキの種類は君に任せる。得意なやつを、一つ頼むよ」
ミルフィーユ「タクトさん…はい、任せてください! とびっきりのケーキ、作っちゃいます!」
タクト「ランファは、食堂のおばさんやアキト君たちと一緒に料理を作ってくれ」
ランファ「おっけー! 激辛1000倍カレー、山盛り用意するわ!」
シオン「げ、激辛…(汗)」
タクト「ミントは、最高級の紅茶の手配を宜しく」
ミント「了解いたしました。ブラマンシュ財閥の総力を挙げて、最高のお茶を用意してご覧に入れますわ」
ユウ「なら、俺とカーラも手伝うとするか」
カーラ「あ、それは賛成だね!」
タクト「フォルテは、会場の手配と飾り付けを頼む。ドカーンと派手にやろう!」
フォルテ「まかしときな、タクト! オーブの皆にも頼んでおくさ!」
タクト「ヴァニラは、皆が食べ過ぎたときの為に、胃薬の準備を」
ヴァニラ「……了解です。ケーラ先生やアスタンテUの皆さんにも、応援をお願いしておきます」
タクト「ちとせは、パーティの会計を頼む。祝勝会の費用はルフト先生に持っていただく予定だ。
 きっちりとした会計が求められる。困難な任務だけど、宜しく頼む」
ちとせ「了解しました。全力で任務に当たります!」
キョウスケ「なら、俺たちも手伝うぞ」
エクセレン「そうね〜。ちーちゃんの先輩でもあるしね」
ちとせ「助かります、キョウスケ先輩、エクセレン先輩!」
タクト「頼んだよ、みんな。最高の祝勝会にしよう」
ミルフィーユ「はい! 頑張ろうね、みんな!」
ギャラクシィ・ユニオンズの全員も、それぞれで肯定の合図を示す。
タクト「よし、それじゃあ…オペレーション・ゼファー、開始ッ!!!」
全員「了解ッ!!」


BGM:「Eternal Love Ver.エンジェル隊」に固定。

☆味方初期
エルシオール(レスター、ウォルコット、アルモ、ココ)、アークエンジェル(マリュー、ノイマン、メイリン、ミリアリア)
ヒリュウ改(レフィーナ、ショーン)、ガンドール(テッサ、カリーニン、マデューカス、葉月)、
アスタンテU(リエ、ルン、ロンド)、Yナデシコ(ユリカ、ルリ、メグミ、ミナト、ジュン)
リューン&ラルミィ[セレスティ(リューン)、ヴェルセクト・ヴァージニアス(ラルミィ)]
選択24小隊
▲ラッキースター(ミルフィーユ、タクト)…出撃不可

★敵戦力
ミュルメクサ[ミュルメクサ(ネフューリア遠隔操作)、ラフトクランズ・シャドウ×3]
[ラフトクランズ・シャドウ、ヴォルレント×3]×8
[レグス・ジオ戦艦、ガンジャール、ドナ・リュンピー]×10
[ヴォルレント、リグ・ゼオ戦闘機×3]×12
[ラムス・ジオ突撃艦、リュンピー×2]×14
[グノスト+リスニル]×8
[スコル+ガロイカ]×8
[タントール+ビルゴ]×8

◎ミュルメクサ小隊以外、一定数以下になると増援(回数無制限)

▽ラスボス…ミュルメクサ(オリジナル)
ネフューリアがオ・ガウブの防衛用機として黒き月とフューリーの技術を組み合わせて生み出した最終兵器。
クロノストリングエンジンとオルゴン・エクストラクターの複合動力によって稼動している。
武装面はフューリーのズィー=ガディンをベースにしているようであり、
オルゴンエネルギーを駆使した多彩な攻撃を行う。
◎武器…
オルゴンビュート(オルゴンクリスタル製の蛇腹剣)
アビス・デバイス(擬似マイクロブラックホールを発生させ、瞬間的に対象の周囲に展開・射撃する)
シャドウ・エミュレイト(オルゴンクリスタルとクロノストリングにより、ラフトクランズの影を実体化させる)
ネガ・アルカンシエル(全てを滅する滅びの虹を放つ最強技)


遂にオ・ガウブとの決戦のときが訪れた。
ラストバトルの勝利条件は、オ・ガウブの防衛用機動兵器…ミュルメクサの撃破となる。

打ち砕くべき壁…ミュルメクサとの戦いの中、戦士達は思いをめぐらす…
(戦闘前会話。思いついたものだけ)

ケーン「負けられねぇ…人を人と思わねぇヤツに、ファルガイアを渡してたまるかってんだ!」
タップ「ミルフィーちゃんとマイヤーズ司令の突き進む道を作るためにも、俺たちが切り込まないと…!」
ライト「天使を守る騎兵隊…案外いけてるな…」
ケーン「俺達ドラグナーは…ファルガイアという城を守る騎兵隊だからな!」

マイヨ「フッ…ドラグナーの坊や達と肩を並べて戦うことになるとはな。数ヶ月前には予想もしなかった」
ミン「それが人生ってモンさ、大尉。でも、悪く無い人生だと思わないかい?」
マイヨ「そうだな…全く悪くない…!」

ネルフェア「星の海とはよく言ったものね。雲海よりもずっと広くて…」
カンジ「…かもな。まさかレドロス軍よりも大規模な戦力とぶち当たるなんて思ってみなかったよ」
リエ「お兄ちゃん…私達、勝てるのかな」
カンジ「勝てるさ! ミルフィーたちを信じれば…! そして、クラウディアに帰るんだ! そうだろ…ルン!」
ルン「そうね…一緒に帰ろっ! 私達のクラウディアへ!」

ユリカ「アキト! みんな! 頑張って!」
アキト「任せとけッ! 俺は…俺に出来ることを漸く見つけんたんだ!」
イツキ「この星の明日の為に…大切な人、仲間を守るために…そして、ガイさんを…!」
ガイ「燃える燃える燃える燃えるぜぇぇぇぇぇぇ! いよいよ最終決戦だッ!
 ファルガイアの…いや、銀河の未来はッ! 俺たちが守ぅぅぅるっ!!」
リョーコ「張り切りすぎて、怪我すんじゃねーぞ!」
イズミ「家に帰るまでが遠足です」
ヒカル「いや、遠足じゃないってば…」
ルリ「……最後までバカばっか」


凱「俺たちも行くぞ!」
勇者ロボ軍団「了解!」
凱「護…あと少しだけ、ギャレオンを貸してくれ!」
護「勿論だよ、凱兄ちゃん!」
凱「よし…! ファイナル! フュゥゥゥジョォォォォォォンッ!!」

☆味方増援1
ガオガイガー[スターガオガイガー(凱(エヴォリュダー))]
竜神コンビ[超竜神、激竜神(或いは強竜神、幻竜神)]
ボルフォッグ&ゴルディ[ビッグボルフォッグ、ゴルディマーグ]

凱「ガオ! ガイ! ガァァァァッ!!」
勇者王も、最後の戦い故に復活を果たす!


そして、かつて敵対していた者達も…
ミリアリア「艦長! バジルール大尉が…ドミニオンで援護に駆けつけてくれました!」
マリュー「間に合ったのね…ナタル!」
ナタル「遅れて申し訳ありません。これより、エルシオールの援護に回ります! MS各機、出撃せよ!」

☆味方増援2
ドミニオン(ナタル、リーアム、樹里、プロフェッサー)
3人組[フォビドゥン(シャニ)、レイダー(クロト)、カラミティ(オルガ)]


そう言って出撃したのは、かつてシン達と戦った3人…オルガ、クロト、シャニであった。
クロト「それじゃ、生まれ変わった俺たちの力、見せてやりますか!」
オルガ「おい、勝手に仕切るなよ! ま、俺も同じ気持ちだけどよ」
クロト「じゃあ、いいじゃんかよ……行くぞ!!」
シャニ「……初めてかも 協力して戦うっていうのは…」

シン「あいつら…!」
ルナマリア「フフッ…なんか半年前のシンみたいね」
シン「ちょっ…よりによってそれを言うのかッ!?」
カガリ「そんなこといってる暇じゃないぞ!」
シン「おっと…そうだった!」

アスラン「行くぞカナード! 俺たちが新たなる道しるべにならなくちゃならないからな…!」
カナード「ああ! ミーア…俺は守ってみせる…君が愛し、守りたいと願ったこの世界を…!
 たとえSEEDが無くとも、青き翼の自由なる堕天使…フリーダムと共にッ!」

マデューカス「む! 戦闘宙域にボソン反応あり!」
テッサ「木星連合の艦隊ですか!?」
ルリ「木連の艦隊から伝言が届いています。
 『我らはこれより、FCEおよびその同盟艦隊…ならびにトランスバール軍を支援する。
  宇宙に生きる全てのものの為に。レッツ・ゲキガイン!』…だそうです」
ユリカ「やっぱり…! 信じてましたよ、木連の皆さん!」

☆味方増援3
木連部隊[ダイテツジン(九十九)、ダイマジン(元一朗)、デンジン(源八郎)、デンジン(三郎太)]

源八郎「この宇宙の未来の為に…ひと暴れするか、九十九!」
九十九「おう!」
ミナト「白鳥さん、気を付けて!」
九十九「ナデシコは守って見せます! 安心して下さい、ミナトさん!」
ガイ「お〜お、張り切りやがってあの野郎!」


最後の激闘の末、遂にミュルメクサはギャラクシィ・ユニオンズの前で力尽きた…


アルモ「巨大機動兵器、撃破!」
レスター「よし、前進! あのデカブツに向かって突き進め! タクト…後は任せたぞ」
タクト「ああ。任せてくれ!」

ココ「敵の増援が現れました! 攻撃、来ます!」
アルモ「きゃああっ!」
ココ「Dブロック右舷に直撃! 11時方向、戦闘機部隊が来ます!」
レスター「構うな! 前進だ! Dブロック、4から11エリア閉鎖!」
アルモ「了解! 消火班、現場に急いでください!」
レスター「タクト、エルシオールで案内できるのはここまでだ。後は頼む!」
通信の中で、タクト達は会話している。
タクトは、決戦兵器「エンジェル・スラップ」のコクピットにいた。
タクト「上出来さ、レスター…じゃあ、後は頼む!」
ココ「マイヤーズ司令、お気をつけて」
アルモ「絶対に、帰ってきてくださいね!」
レスター「タクト…祝勝会の幹事は引き受けてやる」
タクト「ああ、分かった!」
そして通信が切れる。
タクトの前のシートには、ミルフィーが座っていた。
タクト「それじゃ、最終チェックを頼む」
ミルフィーユ「はい!」
タクト「いよいよ出撃だ。怖くないかい?」
ミルフィーユ「平気です。だって、タクトさんと一緒だから。
 皇国の未来、ファルガイアの未来、みんなの未来、タクトさんとあたしの未来、み〜んな、守ってみせます!
 あ……でも、ひとつだけ、お願いがあるんですけど…」
タクト「お願い?」
その時、ミルフィーが後ろを向きキスの体制に入った。
タクトは少し動揺したが、程なくして自然と交わす。

んが。
フォルテ「タクト、出撃のタイミングを……って、おぉ!?」
ミント「戦闘中だというのに、大胆ですわね…」
ヴァニラ「……胸キュン……」
ちとせ「……こ、困りました」
アルモ「ふたりとも、やるぅ!」
ココ「お熱いですね〜」
ランファ「こら〜っ、タクト、ミルフィー! いつまでやってんのよッ!」
リューン「やれやれ……ま、後でちゃんと言っておくか」

そんなこんなで一応収まり、リューンの言付け―――ギャラクシィ・ユニオンズ全員も、
オ・ガウブに突撃するというメッセージを伝える事―――も終わり、そして…
クレータ「お二人とも、きこえますか?」
タクト「ああ、聞こえてるよ」
クレータ「システム、オールグリーン! 進路クリア! いつでもどうぞ!」
タクト「了解した。エンジェル・スラップ、出力良好。発進スタンバイ完了!
 これより、『オペレーション・ゼファー』ファイナルフェイズを開始する!」
ミルフィーユ「了解しました! エンジェル・スラップ、出撃します! ……行きます、タクトさん」
タクト「ああ、君の力を見せてやれ!」
ミルフィーユ「はい! 発進したら西風さんに押されつつ思いっきり加速して、敵さんに突っ込みます!」

白き月・謁見の間……
侍女セシリア「……決戦兵器、出撃しました」
ノア「いよいよね……」
ルフト「頼んだぞ……」
シャトヤーン「お二人とも…どうかご無事で…」
シヴァ「武運を……!」

そして、エルシオールから最後の切り札…
クロノ・ブレイク・キャノンに張り付くように紋章機が取り付けられている決戦兵器「エンジェル・スラップ」が発進した。

リューン「よし…! みんな! 俺たちは天使を導く希望の西風として、最後の一撃を導くぞ!」
全員「おう(はい、了解、ああ)!」
凱「長官! ファンタズム・ハートを!」
大河「了解した! 弾丸X・ファンタズム・ハート…発動、承認ッ!!」
命「了解! ファンタズム・ハート・リミッターリリーヴッ!!」

命の端末操作により、オービットベースからもう一つの弾丸X…ファンタズム・ハートが撃ち出された。
その弾丸は青白い閃光を放ちながら、エンジェル・スラップの後部バリアに衝突。
そしてその波動は戦場を満遍なく包み込み、さらにエンジェル・スラップのスピードが増す。
そう、ファンタズム・ハートはエンジェル・スラップのスタートダッシュを劇的に発揮させる起爆剤もかねていたのだッ!

ちとせ「タクトさん、ミルフィー先輩…宜しくお願いします!」
ヴァニラ「……きついビンタを……」
フォルテ「ぶちかましてきな、タクト、ミルフィー!」
ミント「そして、お二人とも…そしてギャラクシィ・ユニオンズの皆さんも、必ず帰ってきてくださいませ」
ランファ「ミルフィー、タクト…アンタ達なら、やれるわ。アタシが保障してあげる!」

ちとせ
父さま、見ていてください…私の戦いを…大切な人たちを守るための戦いを…必ずお守りします、タクトさんッ!


ココ「エンジェル・スラップ、目標までの距離、8000! 正面に敵機! 回避してください!」
ランファ「そんな暇ないわ! 要は進路からどかしゃいいんでしょ! ぶっ飛べぇ! アンカークローッ!」
フォルカ「手伝うぞランファ…トウマ!」
トウマ「おう! ライジングメテオォォォッ!!」

ランファ、トウマ、フォルカの一撃が護衛艦をぶっ飛ばし…さらに!

ゼンガー「斬艦刀! 一閃! 星薙ぎの太刀!」
レーツェル「シュツルム・アングリフ! 突撃ぃ!」

護衛のフューリー機・戦闘機はゼンガーらが全てなぎ払った!


ココ「距離、7000!」
ミント「……ッ! 敵の編隊が接近! 他に、2時方向と天頂方向からも…!」
アル=ヴァン「ならば!」
カルヴィナ「ここは私達で!」
カティア「ええ!」

ミント「フライヤーダンス!」
アル=ヴァン「オルゴンキャノンッ!」
カティア「ホーミングレーザー・セット!」
カルヴィナ「行きなさいッ!!」

囲もうとしていた敵部隊は、ミントのフライヤーダンスをはじめ、
ラフトクランズのオルゴンキャノンと、ベルゼルート・ブリガンティのホーミングレーザーによって一掃された!

カルヴィナ「さあ、今のうちに!」

ココ「目標まで、6000!」
レスター「敵の巡洋艦タイプと指揮官機タイプが向かっている! フォルテ、アクセル、ラミア、メルア、頼む!」
フォルテ「おお、任せときな! 邪魔すんじゃないよ! ストライクバースト!」
ラミア「コード・ファントムフェニックス!」
メルア「アクセルさん、マキシマムモードを起動します!」
アクセル「よっしゃあ! オルゴンブラキウムフィニッシュ!」

新たに立ちはだかる巡洋艦らは、ストライクバーストの猛火にさらされ、
不死鳥の矢がそれを薙ぎ、天からの一撃によって全て爆散する。

メルア「敵艦、撃沈!」
フォルテ「よーし! そのまま突き進めぇー!」

ココ「目標まで5000!」
光珠「きゃああ!」
ジーク「光珠!」
フェアリ「こ、このままでは援護に迎えません!」
ヴァニラ「すぐに修理します…リペアウェーブ……!」
フェアリ「ソウルランサー…修復しました。ありがとう御座います、ヴァニラ様」
ヴァニラ「……問題ありません…」
光珠「ッ! ヴァニラ、上!」
ヴァニラ「…!」
統夜「インフィニティ!」 テニア「キャリバー!!」

すぐ上からハーベスターに襲い掛かろうとしたヴォルレントが、
統夜達のグランティード・ドラコデウスによって一刀両断される!
テニア「大丈夫!? ヴァニラ」 ヴァニラ「大丈夫です…」
統夜「よし、急いで追いつくぞ!」
光珠「おっけー!」

ココ「目標まで3500! 突撃艦タイプ3隻、エンジェル・スラップに向かっています!」
フォルテ「しまった! 遠すぎる!」
ちとせ「私とエクセレン先輩が行きます!」
エクセレン「行くわよ、ちーちゃん!」
ちとせ「はい!」
ちとせ&エクセレン「オクスタンフェイタリティ、シュート!!」

シャープシューターのフェイタルアローとリヒト・ヴァイスリッターのオクスタンランチャー・サリッサ・Xモードによる、
合体攻撃「オクスタンフェイタリティ」によって2隻の突撃艦を撃ち貫いた!さらに!

ツグミ&スレイ「マニューバーGRaMXs!」 アイビス「フィニッシュ!」
亜光速でのマニューバーGRaMXsによって一気に詰め寄り、最後の1隻を粉砕ッ!

アルモ「やったぁ! もう前に敵艦はいませんよ!」
ココ「エンジェル・スラップ、目標まで3000!!」

タクト「敵包囲網突破! 目標までの距離、3000、2800…」
ミルフィーユ「タクトさん、前ッ!」

眼前に撃破されたメルミュクサが生み出したラフトクランズの影が立ちはだかるが…

キョウスケ「クレイモア…! 全弾もってけぇ!!」
リュウセイ「T−LINKナッコォ!!」
リュウセイとキョウスケによってそれも撃破される。

タクト「…距離、2000! エンジェル・スラップ、シールドOFF!
 エネルギーを全てフィールド・キャンセラーとクロノ・ブレイク・キャノンへ回す! ミルフィー…後は君が頼りだ」
ミルフィーユ「了解です! フィールド・キャンセラー作動! 敵シールドの中和を開始します! タクトさん…」
タクト「いくよ、ミルフィー」
ミルフィーユ「はい!」

そして、エンジェル・スラップから翼が展開され、オ・ガウブのフィールドを中和することに成功した!
ネフューリア「ネガティヴ・クロノ・フィールドが破られただと!? おのれ!」
だが、ネフューリアは動揺する中で辛うじて砲門を操作し、クロノ・ブレイク・キャノンの砲身を撃ち抜いてしまった。
ミルフィーユ「ほ、砲身が!?」
タクト「構わない! 撃つんだッ!」
ミルフィーユ「はい!」
そのままエンジェル・スラップは、クロノ・ブレイク・キャノンを発射。
だが、砲身が破損した分攻撃力がそがれてしまい、その攻撃は内部に穴を開けるだけにとどまってしまった。
命中時の爆炎の中、タクトはふと二つの陰がすれ違うのを見た。
そう、リューンとラルミィがエンジェル・スラップの横をすり抜け、一気にオ・ガウブ内部に侵入したのだ!

ネフューリア「な、内部に侵入されただとッ!?」
リューンとラルミィは、狼狽しているネフューリアに対して声をあげる。

ラルミィ
ヴァル・ファスクよ…これが私達の答えだ!

ネフューリア
そんなバカな…お前たちは我らに使役されるべき存在のはず…ッ!

リューン
世界は数多の命が織り成すようにして成り立っているッ! 貴様らを中心にしているのではないッ!!

ラルミィ
私達は、守りたいものがあるならばッ! どこまでも歩いてゆけるッ!

リューン
例え、長い絶望の闇に疲れ果ててもだッ!
そう…「荒れた大地が広がるこの星-ファルガイア-にさえ、希望はまだ生まれ続ける」のだからなッ!!


そして、遂に2人はネフューリアのいる中枢ブロックに殴り込んだ!
ネフューリア「バカなッ!! ニンゲン如きにッ!?」
ラルミィ「これで終わりだッ! 星護剣エクイテス…ジェノサイド・ザンバーーーーーッ!」
リューン「メビウス・リアクター、フルドライブ! メビウス・ダークススマッシャーーーッ!」

二人の放った銀河を貫く閃光はネフューリアを容易く滅し、オ・ガウブを貫き、そして爆散する……
巨大な閃光の果てに、レスターはくらんだ目を立ち直らせ、状況の確認を急いだ。
ココ「敵巨大艦、レーダーから消失! 破壊を確認! 周囲の無人艦も動きを止めました。 エネルギー反応、0!」
レスター「ふぅ……ッ! エンジェル・スラップはッ!?」
ランファ「ミルフィー! タクト!」
フォルテ「おいっ、返事をしろ! 聞こえてるだろ!」
ミント「応答願います! タクトさん、ミルフィーさん!」
ヴァニラ「……約束を…しました…」
ちとせ「エンジェル・スラップ、応答願います! エンジェル・スラップ! ……お願いです、返事を!」
その時、シャープシューターの通信画面からノイズが入る。
ちとせ「え…今、何か…」
ミルフィーユ「……もーし…。……もしもーし! す、すいませ〜ん。エンジン、壊れちゃいましたぁ。助けてくださ〜い!」
全員「ミルフィー(さん、先輩)!」
タクト「…言っただろ。必ず帰ってくるって」
ランファ「ま……まったく、心配させてッ!」
ミント「お二人とも、お帰りなさいませ…!」
フォルテ「よく頑張ったね、ミルフィー。お疲れ、タクト」
ヴァニラ「……よかった」
ちとせ「ミルフィー先輩…! タクトさん…!」
ちとせはもはや涙目である。
フォルテ「ほら、ちとせ。いつまでも泣いてるんじゃないよ。回収、頼んだよ」
ちとせ「は……はい!」
タクト「じゃ、よろしく〜」
そう言って、通信は一旦切れる。


虚空をさまようエンジェルスラップ…
タクト「じゃあ帰ろうか、ミルフィー」
ミルフィーユ「はい…タクトさん。あたし達、勝ったんですね。これで、平和が戻ったんですね」
タクト「ああ。俺とミルフィーと、そしてみんなの力で勝ったんだ……」
その時、タクトは大変なことに気付く。
タクト「…ッ! リューンとラルミィは!?」
ミルフィーユ「え?」
タクト「あの時、最後に彼らが中に入ったような…」
ミルフィーユ「そ、そんな…! リューンさん! ラルミィさん!」
タクト「リューン! ラルミィ!」


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