第26話「大いなる災い、怒れる月の騎士」

ベルナデット・ルルーの協力によって、レゾムが占拠している宙域を割り出すことに成功したギャラクシィ・ユニオンズ。
現在、ネルガルから幾分かの補給物資を得ることに成功し、地球圏で言う雷王星軌道に位置する該当宙域へと向かっていた。

そんな中、タクトは突然訪れたミルフィーと一緒に展望公園にいた。
……実は、これはランファの作戦で二人っきりにさせて実はまだキスすらしていない二人にキスをさせようという作戦である。
勿論、ランファはデバガメ組としてその展開をこっそり除いている。
デバガメ組の中には他のエンジェル隊が全員いた。
そしてタクトたちがキスの体制に入ってきたとき、ランファたちのハートがヒートアップする。
んが。

フォルカ「何をしてるんだ?」
たまたま通り歩いていたフォルカが、ランファたちを発見し、普通に声をかけていた。
その声に驚いたランファたちは思わず全員前のめりに倒れてしまう。
ミルフィーユ「ランファ! それに皆!」
タクト「どどど、どうしてここに?」
ランファ「あっ、えっ、おっ!?」
ミント「奇遇ですわね、タクトさん。こんなところでお会いするなんて(ほら、ランファさんも!)」
ランファ「(え?)あ〜っ、そうそう! 奇遇よね〜!」
フォルカ「何を言っているお前達。ずっと覗き見とやらをしていたのだろう」
タクト「えッ!?」
ランファ「ちょっとフォルカ! 何てこと言ってんのよ!!」
フォルカ「俺は事実を述べただけだぞ?」
フォルテ「(て、天然にもほどがあるよ……)」
ミルフィーユ「ひどいよ、ランファ! ランファが言ったから、あたし、勇気を出してタクトさんを誘ったのに!」
ランファ「ち、違うの! そうじゃないの!」
フォルテ「ほら、同じ仲間として、ミルフィーのことを暖かく見守らないとなって……なぁ、みんな?」
ヴァニラ「……美しき友情」
フォルカ「そうか。親友として…仲間として考えていたと言うことなんだな」
ランファ「いや、あの……まぁ、いいか」
フォルテ「と、言うわけでだ! あたしらはお邪魔みたいだから退散するよ!」
ミント「あとは、二人でごゆっくりと」
ヴァニラ「……若い二人に任せます…」
ランファ「あ、ちょっと待ってよ、皆!」
ちとせ「それでは、失礼します」
そいって退散するランファたち。そしてランファはフォルカの襟首を捕まえていった。
ランファ「ほらフォルカ! あんたも退散する!」
フォルカ「な…ちょっと…襟を引っ張るな……」
そして静かになった展望公園。
タクト「……帰ろうか、ミルフィー」
ミルフィーユ「……はい」

そして、該当宙域に近づきつつあるギャラクシィ・ユニオンズ。
エルシオールのブリッジに意外な人物が訪れる。シヴァ女皇である。
タクト「シヴァ陛下! どうしてここに…」
シヴァ「すまぬマイヤーズ。どうも今回の作戦、なにか嫌な予感がしてならぬのだ。首の後ろのあたりがチリチリする様に…」
タクト「奇遇ですね。実は俺もさっきから胸騒ぎが収まらないんですよ」
シヴァ「そなたもか。……この感じ、確か以前、どこかで……」
その時、ココが唐突に告げる。
ココ「マイヤーズ司令、前方に大型の資源衛星らしき物が…あれは!?」
レスター「どうした?」
アルモ「資源衛星らしきものの表層に、妙なものがあります」
タクト「最大望遠に切り替えてくれ!」
ココ「了解!」
そして、最大望遠に切り替えた映像に移ったのは……
レスター「何だ! あの黒いものは……!?」
テッサ「ガンドールでも確認しました…まるで、衛星の中からもうひとつの星が映えているみたいです…」
シノン「それに、あの中心の赤い光……!」
レスター「……前に、アレとよく似たものを見たことがある」
ミユリ「でも、そんなはずは!」
シヴァ「まさか……『黒き月』だと言うのか……?」
ナタル「黒き月…だと…!」
マリュー「でも、あれはマイヤーズ司令たちがエオニア戦役で破壊されたはず…それがなぜこんなところに…」
ノイマン「! 例の構造体から通信です!」
マリュー「マイヤーズ司令!」
タクト「繋いでくれ!」
その黒き月からの通信で現れたのは……
タクト「レゾム……!」
レゾム「がーっはっはっはっは! どうだ、新しい黒き月の姿は!」
タクト「やはり…」
シヴァ「貴様が、黒き月を復活させたと言うのか!?」
レゾム「おお! これはこれはシヴァ女皇陛下。お目にかかれて光栄ですぞ。いかにも、我輩が黒き月を蘇らせたのです」
シヴァ「何と愚かなことを……! 貴様、自分が何をしたか、わかっているのか!」
レゾム「シヴァ女皇陛下と言えども、言動には気をつけていただきたいものですな。
 何しろ我輩は、皇国の未来の支配者なのですから」
シヴァ「未来の支配者だと…笑わせるなッ!!」
レゾム「おやおや、先の戦いをその眼でご覧になった陛下のお言葉とは思えませんな。眼前に見えているのが何か…
 その力がいかなるものか、分からぬわけでもありますまいに。黒き月の無限の生産能力があれば、
 皇国軍も紋章機も、物の数ではないわぁ!」
シヴァ「黙れ! この大うつけめ! ロストテクノロジーは、民の幸せの為に使われるべきもの!
 貴様やエオニアのような、私利私欲の為に使うものを、私は許しはしない! 今すぐ降伏するがいい!
 それでも楯突くと言うのなら…トランスバール女皇、シヴァの名の下に成敗してくれるッ!!」
レゾム「ぐぬぬ……! 言わせておけば、この小娘がぁ! ネフューリア! 全艦隊を襲撃させろ!」
ネフューリア「仰せのままに」
レゾム「降伏すれば、命だけは助けてやろうと思ったが、もう許さん! 我輩自らの手で、
 貴様らが二度とその生意気な口を利けぬよう、叩きのめしてくれるわ!」
タクト「それは、こっちの台詞だよ……そもそも許してもらうつもりも、許すつもりも無い…!」
レゾム「フンッ、虚勢を張りおって! 紋章機と地球の機体だけで何が出来ると言うのだ!」
シヴァ「貴様の目は節穴か? エルシオールについているものが見えないのか」
レゾム「エルシオールについてるもの…? そういえば、大砲のようなものが増えているが……
 だが、そんなこけおどしの大砲では黒き月にかすり傷ひとつつけることも出来んわ!」
タクト「……え?」
この台詞に、前大戦に参加していた面子は全て凍りついた(ギャグ的な意味で)。

統夜「なぁ…あいつ、黒き月が破壊されたことを知らないんじゃないのか?」
カルヴィナ「まさか…そんなはずは無いでしょう?」
アクセル「いや、俺達が蹴散らした後、エオニア軍に戻れずに、ずっとほっつき歩いていたとしたら…」
ラミア「それなら知らないはずでございますです」
タクト「成る程。それなら納得できるな」

レゾム「お、おい、貴様ら! 何をコソコソ話しておる!」
アクセル「おい、レゾム」
レゾム「な、貴様は!」
アクセル「ひとついいこと教えてやる。お前の言っていた「こけおどしの大砲」の名前は、
 クロノ・ブレイク・キャノンと言うものだ」
レゾム「ク、クロ…クロノ、ノ……ノブ…ブレ? フン…こけおどしらしい、大層な名前だな!」
タクト「大層なのは名前だけじゃないさ。なにせ、黒き月を破壊できるんだから」
レゾム「な、なに…! 口からでまかせを!」
シヴァ「先の戦いのこと、本当に知らぬようだな。哀れな……」
レゾム「ほ、本当……なのか?」
タクト「考えてみたこと無いのか? もし黒き月が、お前の言うように絶対的な力を持っていたなら、
 どうして、お前が手に入れたとき、黒き月は破壊された後だったんだ?」
レゾム「ううっ!? ……い、言われてみれば……いや、我輩は、
 ネフューリアが黒き月のコアを持ってきて、スゴイ兵器を復活できるとしか…」
ユリカ「でもそのスゴイ兵器が、誰かに倒されていたわけですよね。でも誰に? どうやって?」
レゾム「ま、まさか…」
テッサ「そうです。倒したのは、マイヤーズ司令たちです。エルシオールの本来の主砲「クロノ・ブレイク・キャノン」と、
 前大戦で戦い抜いた人たち、そして、悠吾君のリヴォウルトによって……」
事実に直面し、絶句するレゾム。
レゾム「…………! き、汚いぞ、貴様らッ!! そんな卑怯な武器を持ち出しおって!」
これまた別の意味で凍りつく前大戦に参加した面々。

メルア「き、汚いって……」
テニア「頭が痛くなっててきた……」
ガイ「……小悪党の道を全力前回で突っ走ってるなぁ…あのレゾムってヤツ」
カティア「言われてみれば……」
リュウセイ「そうかもしれない……」
もはや哀れみモードな空気であった。
レゾム「ふふふ…仮に黒き月を破壊できる大砲を持ったとしても、撃てなければ同じことよ!
 さあ行け! 無人艦隊よ! エルシオールらを宇宙の塵に変えてしまえ! わーっはっはっはっはっは!」
アルモ「通信、切れました」

タクト「……なんだかなぁ…(涙)」
レスター「いまいち、やる気にならんのは分かるが……これであいつとの決着がつくんだ。割り切れ」
ココ「黒き月より、敵艦隊多数出現!」
ムウ「ほらおいでなすった!」
シヴァ「マイヤーズ。トランスバール女皇、シヴァが命ずる。黒き月を、何としても破壊せよ。
 クロノ・ブレイク・キャノンの使用も許可する」
タクト「はっ!」
レフィーナ「ヒリュウ改も、超重力衝撃砲の準備を!」
ショーン「分かりました」
ユリカ「ルリちゃん、相転移砲のスタンバイ、お願いね! 発射タイミングは任せるから!」
ルリ「了解です」
ナタル「艦長、我々も…!」
マリュー「分かってるわ! ローエングリン・スタンバイ!」
テッサ「ガンドール、変形開始! ガンドール砲のチャージを!」
マデューカス「イエス! マイ、マム!」
リエ「香月艦長、私達は各機動部隊のフォローに回りましょう!」
シノン「オッケー、分かったわ!」

タクト「みんな、聞いての通りだ! これから敵艦隊を撃破して、あの新しい黒き月を破壊する!」
ヴァニラ「了解しました……」
フォルテ「黒き月が復活していたなんてね…道理で、アレだけ無人艦がうようよしていた訳だよ」
ミルフィーユ「大丈夫ですよ。こっちはクロノ・ブレイク・キャノンがあるんですから!」
ちとせ「ですが、黒き月といえば、かつてトランスバール軍の大きな損害を与えていた存在だときいています」
ミント「確かに、何が起こるかわかりませんわね。ここはくれぐれも慎重に」
ランファ「細かいことはいいわ。要はアレを倒せば勝ちでしょ? ちゃっちゃと片付けちゃいましょ!」
タクト「そうだな。なんにせよ目の前の敵を破って、黒き月を破壊するんだ。だけど…皆、油断するなよ!
 俺達は、黒き月の力を、誰よりもよく分かっているはずだ」
ルナマリア「勿論です! 惑星ロームとファーゴの悲劇…いまだに忘れちゃいないわ」
シン「これは…俺がやってきたことの償いになることも含まれている…!」
リュウセイ「紋章機のリミッターがかかったまま。その上SRXも無いが…それでも全力でやるしかねぇな…」
ちとせ「その分は、各々が細心の注意を払うことで補いましょう」
タクト「そういうことだ、皆、くれぐれも気をつけてくれ」

☆味方初期
エルシオール(タクト、レスター、ウォルコット、アルモ、ココ)
アークエンジェル(マリュー、ナタル、ノイマン、メイリン)
ガンドール(テッサ、カリーニン、マデューカス、葉月)
アスタンテU(リエ、ロンド、リーアム、樹里、プロフェッサー)
Yナデシコ(ユリカ、ルリ、メグミ、ミナト、ジュン)
ヒリュウ改(レフィーナ、ショーン)、アマテラス(シノン、ミユリ、シメイ)
エンジェル隊1
[ラッキースター(ミルフィーユ)、カンフーファイター(蘭花)、シャープシューター(ちとせ)]
エンジェル隊2
[ハッピートリガー(フォルテ)、トリックマスター(ミント)、ハーベスター(ヴァニラ、ノーマッド)]
フューリーナイツ1
[クストウェル・ブラキウム(アクセル、メルア)、アンジュルグ(ラミア)]
フューリーナイツ2
[グランティード・ドラコデウス(統夜、テニア)、ベルゼルート・ブリガンティ(カルヴィナ、カティア)]
アル=ヴァン
[ラフトクランズ(アル=ヴァン)]
リューン
[セレスティ(リューン)]
選択18小隊

★敵戦力
アドミラル・レゾム(レゾム)、ドミニオン(ネフューリア)、ジゼル級装甲ミサイル艦、セラク級高速突撃艦、
ザーフ級戦艦、ダークエンジェル、アルトアイゼン・ナハト、グノスト+リスニル、スコル+ガロイカ、タントール+ビルゴ
オルガ
[カラミティガンダム(オルガ)、バスターダガー×2]
シャニ
[フォビドゥンガンダム(シャニ)、ロングダガーFS×2]
クロト
[レイダーガンダム(クロト)、ザロム×2]

★敵増援1
ダークエンジェル、セラク級高速突撃艦、グノスト+リスニル、スコル+ガロイカ、タントール+ビルゴ

立ちふさがるシャニ・クロト・オルガの三人の機体を止め、展開されている敵部隊を全て蹴散らした。
そして…

ココ「敵艦隊、全て壊滅しました!」
アルモ「クロノ・ブレイク・キャノン、エネルギーチャージ完了!」
レスター「タクト、今がチャンスだ!」
タクト「分かっている…黒き月を破壊する…! クロノ・ブレイク・キャノン、発射準備!」
ウォルコット「照準制御・オールグリーン!」
タクト「クロノ・ブレイク・キャノン、発射!」
エルシオールから、最大出力のクロノ・ブレイクキャノンが発射された。
それと同時に、アークエンジェルからローエングリンが、ナデシコから相転移砲が、ガンドールからガンドール砲が、
そしてヒリュウ改から超重力衝撃砲が発射された。
5つの艦の咆哮が新たなる黒き月を突き穿った……かに見えた。
しかし、その中からはエルシオールとは比べ物にならない…あるいはマクロス級すらも越えるような巨大な艦が現れた。
そう…ゼントラーディのボドルザー艦に匹敵するかのような……。
そしてその中にいるのは、ドミニオンにいるはずのネフューリア。

「さあ私の手のひらの上で踊るのよ……」
ネフューリアが静かにつぶやくと、最低でも20箇所以上ある発進口から、おびただしい数のダークエンジェルが、
イナゴの大群のごとく、ギャラクシィ・ユニオンズに特攻する!

タクト「うわっ!!」
レスター「なんなんだ、あの巨大な艦は…!?」
テッサ「黒き月の中から、あんな艦が…!」
タクト「いや、あんな巨大な物…もはや艦と呼べるのか…まさか、アレが「大いなる災い」…!?」
ココ「巨大艦の内部から、さらに敵機が出現しています!」
タクト「まずい、距離をとれ! ギャラクシィ・ユニオンズ全部隊も退避させるんだ!」
アルモ「りょ、了解!」
全部隊を一旦巨大艦から下がらせるタクト。
(全ユニット、一旦距離をとる。ただし、フューリーナイツ小隊とアル=ヴァンはそのまま)
統夜「アル=ヴァン!」
カルヴィナ「何をやっているの!? 一旦下がるのよ!」
アル=ヴァン「あれは……まさか…!」


レスター「くそ…なんておびただしい攻撃量だ…全エネルギーをシールドに回すんだ!」
タクト「……いや、待て!」
レスター「タクト……?」

レゾム「ふ……ふは、ふははははははっ! 何と凄まじい力だ! 圧倒的ではないか! でかしたぞ、ネフューリア!」
ネフューリア「いかがでしょうか? この『オ・ガウブ』の力は」
レゾム「素晴しい! 素晴しいぞ! これさえあれば、皇国軍など敵ではない!」
ネフューリア「そうですわね……素晴しい力…」
レゾム「やはり、お前に『奥の手』を用意させて正解だったわ!」

レスター「なんだと…今なんと言った」
タクト「エネルギーは全てキャノンに回すんだ!」
レスター「だが、それじゃシールドは使えなくなるぞ!」
タクト「シールド頼りじゃ、どっちにしろ敗れる。だから一か八かのクロノ・ブレイク・キャノンで、
 あの巨大艦を落とすしかない!」
レスター「キョウスケ中尉いわく、『分の悪い賭け』だが…それしか方法が無いか…よし、再チャージだ!」
アルモ「了解!」

レゾム「ネフューリア、命令である! あいつらをやっつけろ! 敵を全てなぎ払え!」
ネフューリア「敵を、すべて……ですか?」
レゾム「そうだ、すべてだ!」
ネフューリア「了解しました。では、遠慮無く……」
そう言ってネフューリアは「遠隔制御している」ドミニオンの艦首をアドミラル・レゾムに向け、ゴットフリートを放った。

エクセレン「ちょ…なんかへんなことになってるわよ!」
キョウスケ「仲間割れ…か?」

レゾム「おい! ネフューリア! なぜ我輩の艦を攻撃しておる! 我輩は視方だぞ!」
ネフューリア「何と申されましても、敵を攻撃しているんです……我々の敵である、あなた方を」
レゾム「なんだと…!」
ネフューリア「感謝いたしますわ、レゾム閣下。あなたは無能でしたが、時間稼ぎは出来ました。
 衛星の資源とエネルギーによって黒き月を再生し、そのテクノロジーを使ってこの、『オ・ガウブ』を作り上げる……
 すべて、私の計算どおり。うふふふふ……後は、あなた方を排除すれば、白き月もトランスバールも、
 そしてこの星系の技術も……」

我ら『ヴァル・ファスク』のもの……いいえ、この私のもの……!

レゾム「ヴァル・ファスク…だと! 貴様…初めからそのつもりで…」
ネフューリア「さぁ、素敵なショーの始まりですよ。閣下……最後の手向けですわ」
そういってネフューリアはアドミラル・レゾムを操って、エルシオールに向かわせる。
ネフューリア「エルシオールと相打ちになるという、名誉の戦死を、あなたに……」
レゾム「せ……せせ、戦死!」

ココ「敵旗艦、こちらに向かっています! 直撃コースです!」
レスター「特攻かッ! 回避急げ!」
アルモ「お願い…間に合って!」

レゾム「ネフューリア! やめろ! このままでは、エルシオールにぶつかって、我輩は…!」
ネフューリア「ああ、なんて素晴しい自己犠牲! 偉大なる閣下のお名前は、
 トランスバールの歴史に永遠に永遠に刻まれるでしょう……まぁ、その歴史も、いずれ幕を閉じますけどね……」

そして、レゾムを乗せた旗艦アドミラル・レゾムはエルシオールの眼前で、自爆した。
ミルフィーユ「タクトさん、タクトさん! 大丈夫ですか!?」
タクト「ああ、ミルフィー。こっちは大丈夫だ。さて、今度はこっちの番だ!」
アルモ「クロノ・ブレイク・キャノン、エネルギー100%です!」
シヴァ「ゆけ、マイヤーズ! 見方の艦を特攻させるようなヤツらに、遠慮はいらん!」

そして、残った力を振り絞り、再びクロノ・ブレイク・キャノンを放ったのだが……
巨大艦「オ・ガウブ」は、全くの無傷であった……

ユリカ「う、うそ…」
タクト「クロノ・ブレイク・キャノンが…防がれた…?」
アルモ「て、敵艦より通信!」
ネフューリア「残念でしたわね。最強と信じていた武器が通用しない気分はいかが?」
タクト「くっ……!」

ネフューリア「黒き月を一度倒した武器だから、今度も効くだろう…そう思ったのでしょう?
 なんて浅はかな考えね……黒き月のテクノロジーと、我らが『ヴァル・ファスク』のテクノロジーが融合した姿、
 それが、このオ・ガウブなのよ」
テッサ「ヴァル・ファスク…オ・ガウブ……」
ネフューリア「それに引き換え、ニンゲンというのは進歩が無いのね。いえ、むしろ退化してるくらい。
 そう……600年前のほうの戦いと、フューリーとの戦いの方が、よっぽ手ごたえがあったわ」
タクト「600年、前…」
統夜「フューリーとの…戦い…!」
ネフューリア「EDENの子供達、フューリーの末裔達、そしてわざわざ遠くからやってきた異邦人達…お遊びはここまでよ」
その時、オ・ガウブから妙な波動を感知したその瞬間、ギャラクシィ・ユニオンズ全部隊に異変が…

レスター「なんだ! 何が起きた!」
ココ「クロノストリングエンジンが、停止しました!」
タクト「何だって!」
アルモ「ダメです! メイン・サブ両方エンジンとも、全く反応ありません!」
ルリ「オモイカネ…!」
ユリカ「ルリちゃん、どうしたの!」
ルリ「ナデシコも、相転移エンジンが完全に機能を停止しました…ディストーション・フィールドも作動しません」
ユリカ「うそ…!」
レフィーナ「ユン!?」
ユン「ダメです! こちらも再起動できません!」

ミルフィーユ「こちらラッキースター! エンジンが動きません!」
ランファ「こっちもダメ! いったい、どうなってんのよ!」
ミント「これは……あの時と同じですわ!」
アキト「あの時…?」
フォルテ「黒き月と戦ったときのことさ」
ヴァニラ「今のように、クロノストリングエンジンを初めとして、あらゆる動力がすべて機能停止しました…」
シヴァ「なんということだ…あの艦は、黒き月の能力を備えているというのか…!」
カガリ「いや、それだけじゃない…! ヒュムノスシステム自体にも干渉されている…!」
カティア「カルヴィナさん! こっちもオルゴンエクストラクターがッ!」
カルヴィナ「く、動いてベルゼルート! 動きなさい!!」
ネフューリア「素敵だわ…なんて素敵な力…これに白き月の能力が加われば…」
シヴァ「白き月だと…! 貴様などに…!」
ネフューリア「では、せいぜい抵抗して御覧なさい。もし出来るならの話だけど…ふふふ…あはははっ!」
そして、オ・ガウブら、レゾム軍の……否、ヴァル・ファスクの攻撃が再開される。

シールドを張ることすら出来ないギャラクシィ・ユニオンズに攻撃の嵐が降り注ぐ。
そして、とどめの一撃が来ようとしたその時…エルシオールの眼前に、数機の機体が盾となった。
タクト「な……グランティードににラフトクランズ! それにセレスティ!」
リューン「司令、無事か!」
レスター「なぜ、動けるんだ!?」
リューン「分からない…だが、メビウス・リアクターがいきなりフルドライブして、
 何かフィールドのようなものがセレスティを包んだんだ」
アル=ヴァン「…我ら正騎士が乗るラフトクランズ…そしてフューリーの創世記に生み出されたグランティードには、
 特別製のオルゴンエクストラクターが搭載されている」
統夜「どうやら、その特別製なら、強制停止されないみたいだ…」
アル=ヴァン「ネフューリア…いや、ヴァル・ファスク! 我らフューリーを滅ぼした全ての元凶…決して許さぬ!」
ネフューリア「あら? 何も影響が無いなんて、変ね…でも、これだけの攻撃をあなた達だけで防ぎきれるかしら?」
リューン「くっ…」
その時、突如エルシオールらに異変が。
アルモ「あ、クロノストリングエンジンが再起動しました!」
レスター「シールド急げ!」
アルモ「はい!」
レスター「何とか間に合ったな…」
リエ「こちらアスタンテU。 エンジンの再起動を確認しました」
タクト「他の皆もか…だけど一体…」
そんな中、割り込み通信が入った。
「そこの白き月の艦。聞こえる?」
その声は、かつてエルシオールに何度も呼びかけた声。そしてその発信源は、エルシオールから8時方向をさまよっている、
黒き月のコアであった。
「返事をする気が無いなら用件だけ言うわ。この辺りだけ、ネガティブ・クロノ・フィールドを解除したの。
 これで動けるようになったはず。さぁ、さっさと逃げるわよ」
シヴァ「ま、待て! なぜ黒き月のコアが、我らを助けるのだ!?」
「説明は後、早くしないと本当に殺されるわよ。それでいいの?」
タクト「シヴァ女皇。ここは信じるしかありません…どの道このままではあの巨大艦にやられてしまいます!」
シヴァ「しかし…!」
タクト「それにあの声は、今まで俺達に警告を呼びかけてきたんです。それを信じてもいいと思います」
シヴァ「……やむを得まい」
レスター「よし、緊急クロノドライヴだ!」
こうして、黒き月のコアを頼りに、ギャラクシィ・ユニオンズは、クロノドライヴによっていったん退避した。
(MAPクリア)

ネフューリア「成る程、逃げ足だけは進歩したようね。だけど、逃がしはしないわ。
 150年の間、ずっとこの時を待っていたのだから。あなた達が全ての力を結集して挑んだときは、
 それらをすべて打ち砕いてあげる…せいぜい楽しませて頂戴。EDENの子供達、フューリーの末裔達…
 そして、地球という遠い星からやってきた異邦人達……フフフフフフ」
(以下次回)


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