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弐・邂逅

 

 スニーフたちが神殿で登録を済ませた日の翌日。多くの冒険者達が集う酒場の中で、長刀を佩いた冒険者…エクスと、相棒の女フェアリー…エルフィアがいつものように昼食をとっていた。

 ちなみにエクスはうどん、エルフィアは小さな黒パンである。

 二人は、ブリッジ探索の仲間を探そうとしているが、これといった仲間が見つからず、少し凹み気味であった。

 そんな中、「や、やめてください!」と、酒場の入り口にてウェイトレスに絡んでくる男の姿が。ウェイトレスはつかんできた男の手をとって思わず突き飛ばし、男はテーブルにぶつかってひっくり返った。

 男に対して湧き上がる笑い声を聞き、そのバツの悪さに男が逆切れしてウェイトレスと殴りかかろうとする。

 その時。

 「勝手に突っかかって、逆切れなんか…恥ずいと思わないのか?」

 エクスが殴りかかろうとした男の手を掴む。

「な、なんだてめえ!」

そう言ってあいている腕で殴りかかろうとしたが…

「動くな」

そう言って別の人物が銃口を後ろ頭に押し付ける。

男はそのまま凍りつく。

「場の礼儀をわきまえない自己中心的な態度をしているお前に非がある」

「ぐっ…」

「今回は見逃してやる。勘定払ってとっとと帰れ」

そう言って銃を持った男…スニーフは銃をおろし、その隙をついて男はそくくさと酒場を後にした。

「スニーフ…アンタいくらなんでもやりすぎじゃない?」

「甘いぞ七海。あのようなやからにはこれぐらいじゃないと引かないものだ」

「えっと…とりあえずサンキュな」

「気にするな。考えていたことはお互い同じだった様だしな」

そう言ってスニーフは銃を元に戻す。

その隣にいた七海は、視線に変わった剣をエクスの腰に見つける。

「ねぇ…あなたひょっとして、エクスさん?」

「? 何で俺の名前を?」

「どーしたの? エクス」

そう言ってエルフィアがエクスの肩に乗る。

「やっぱり情報と同じだ…」

「お〜い…なに勝手に話を進めてんだ…」

「あ、ごめんごめん。あたしは七海。アティスさんって人を探しているんだ」

「え、師匠を?」

「うん。アティスさんはあたしの命の恩人でさ」

「そうなんだ…」

そんな話の中に、ハガネ、フォウリィが入ってきた。

「七海さん、どうしました?」

「あ、フォウリィ! エクスさんを見つけたんだ!」

「…本当か。結構早かったな」

「えっと…みんなは?」

「…ああ、すまない。自分らは七海に協力してブリッジの探索をしようとしていたものだ。七海と同じ、アティスを探していると聞いてな。是非同行したいとおもってな」

「そう…なんだ」

「エクス、どうするの?」

エルフィアがそっと話しかける。

「同じ目的を持ってるなら断る理由が無いな。一緒に探索させてください!」

「結構、あっさりと承諾しましたわね」

「いいのではないか。こんな感じだが、あの時の身のこなしは只者ではないと見たぞ」

「ほめ言葉と指して聞いとく…っと、こいつはフェアリーのエルフィア。俺の相棒だ」

「よろしくね!」

そう言ってエルフィアはエクスの肩で元気一杯にアピールする。

「よろしくね、エルフィア」

「…奇しくもバランスのよさげなパーティが出来上がったな」

「そうですわね。なんでしたら今夜は出会いの祝杯とかやりません?」

 

 いや、何ゆえ祝杯になる。

 

「さんせー! みんなとももうちょっと仲良くなりたいしね!」

「あらあら」

そんなこんなで、少し宿の席を借りて祝杯をすることになったエクス、エルフィア、スニーフ、ハガネ、七海、フォウリィの六人。前代未聞のパーティが結成された瞬間であった。

 

 その夜。

 新たに割り当てられた部屋に、エルフィア・七海・フォウリィの三人がいた。

 祝杯騒ぎを終えて、ベッドに入ろうとしている頃である。そんな中、フォウリィは七海の様子がおかしいことに気づく。

「七海さん。大丈夫ですか?」

心配そうにナ波を見つめるフォウリィ。見る限り、やはりスニーフが怪訝した通り、体調が優れない様子。

「あ、いや…大丈夫だって。あたしが行かなきゃ、アティスさんになんていったらいいかわかんないじゃない…」

「七海ちゃん…」

だいぶ親しくなって七海のことをちゃん付けで言うようになったエルフィア。

「そういえばエルフィアさ…エクスと知り合ったのはいつなの?」

「うーん…ちょっと恥ずかしいけど、エクスが旅立った後にさ、ボクがちょっと突風にあおられて、エクスの顔面にぶつかっちゃったんだよね…」

「そ、そうなの?」

「うん。出逢い方は最悪だったけど、いつの間にか一緒にいるのが当たり前になったんだ」

「そうなんだ……ねぇ、フォウリィ」

「なんですか?」

「ここまで来て、おいてったりしないでよね」

 しばらく考えてフォウリィも真剣に言う。

「勿論ですわ。あなたの助けになりたいと一緒に旅をしていたのですから。おいてく理由などありませんわ」

「ありがと…それを聞けてよかった。それじゃ、あたしはもう寝るね」

「ええ。おやすみなさい」

「じゃ、ボクもお休みー」

そう言って床に就いた女性陣。一方男性陣は、特にこれといった話をしてなかったが、なんか妙に気が合うことをした後に寝たそうだ。


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